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木造の学校・校舎を建てる|耐火性能をクリアすることは可能

2012年より公共建築物を木造化する法令が施行されてから、10年が経ち、エコスクールを整備推進事業もあり、学校・校舎を建築する場合、木造で建てることを第一に検討することでしょう。

昭和時代までほとんどの学校は木造でしたが、時代を経て火災に強く、頑丈だと考えられRC造に変わっていましたが、実は木造の方が万が一の火災に強いこともわかったため、木造で建てることに対し、違和感はあまり感じないかと思います。

さて今回は、学校・校舎において耐火構造にすることが木造で困難だとされていましたが、どうすることで建築基準法・消防法に則った建物を建てられるのか、ご紹介します。また合わせて学校・校舎を建てる際に参考にすべきエコスクールやCALBEE学校についてもお伝えします。

 

 

コラムのポイント●学校・校舎の建築基準法・耐火性能の基準を知ることができます。
●エコスクールやCALBEE学校について概要、必要性についてお伝えします。

 

 

 

 

学校・校舎の建築基準を知っておこう

現在の教育現場は少子化の影響を受け、多くの学校で統廃合が行われています。また耐震性能や建物そのものの劣化が重なり、改修だけではなく、新築する校舎・体育館が増えています。

 

校舎・体育館は、耐久性や防火設備を整えなければならないことから、鉄筋造が主流でしたが、木材がもつ耐久性などの力があることが再認識されたこと、建築技術が向上したこと、平成26年の改正によって木造3階建学校が建てられるように、法が整備され、なおかつ「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律が令和3年10月に施行されたことによって、一層校舎・体育館の木造・木質化が推進されています。

 

 

建築基準法で建物用途は学校

建築基準法では、まず建物がどんな用途で建てられるのかが大きなポイントです。

校舎・体育館は「学校」という用途に分類されます。ただし、体育館については注意が必要です。

 

公立の小中学校の体育館では、「学校」の施設の一部として判断され、建物の用途を「学校」と判断して問題ありません。

 

しかし、校舎内で地域コミュニティ施設等との複合施設である体育館の場合は、「学校」ではなく、不特定多数の人が集まる場として建物の用途は「集会場」として取り扱うことが妥当と判断する場合があります。

参考:建築基準法 解釈と説明

 

 

特殊建築物である

特殊建築物とは、建築基準法第2条1項二号に規定される建築物です。学校の他、介護系施設や映画館、病院などが該当します。

 

不特定多数の人が利用する建物であり、火災が発生するリスクがあり、また火災が発生した場合、周辺の被害が大きいと判断される建物が、特殊建築物に該当します。

 

また特殊建築物に該当する建物は建築確認が必要とされています。ただし、平成30年の法改正が施行され床面積が100㎡以上から200㎡以上のものに限定されるように変更されていますので、注意しましょう。

 

・建築確認とは?
建築基準法第6条・第12条に定められているもので、建物を建てる際、工事の前に建物の設計や敷地配置などの計画を建築主事等に提出し、「その計画が建築物の敷地・構造・建築設備に関する法令等に適合している」という確認を受けることです。許可がおりないと工事に着工することができません。

 

 

 

耐火建築物・準耐火建築物としなければならない

建築基準法第27条において特殊建築物は地上までの避難を終了するまでの間通常の火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために主要構造部に防火構造にすることを求めています。

 

 

 

 

木造の学校の防火構造基準

木造で学校を建てられるのは3階建までですが、防火地域・準防火地域など立地と学校の延面積や階数によって耐火建築物・準耐火建築物・延焼防止建築物のいずれかの建物として建築されなければいけません。

 

立地ごとの基準を表にまとめましたので、ご覧ください。

表内にある、延焼防止建築物のうち国土交通大臣が定めた構造方法とは以下の通りです。

 

<主要構造部における要件>
●外壁: 75分準耐火構造
●外壁開口部の防火設備: 20分防火設備
●間仕切壁、 柱など: 1時間準耐火構造

 

<条件となる仕様>
●延面積: 3,000㎡以下
●防火の区域面積: 500㎡以下
●スプリンクラーの設置
●外壁開口部の開口率セットバック距離に応じた開口率制限あり(数値は専門性が高いため省略)
(※セットバックとは一番近い道路との距離のこと)

 

 

 

細かく構造制限が設けられていますが、建物のつくり方によって様々な可能性を広げ、より木造で「学校」が建てやすくなっていることを意味します。

 

 

特殊建築物の施工事例をみる

 

 

木造で学校を建てる際に参考にすべき事業と制度


木造で学校を建てる場合の建築基準法についてご紹介してきましたが、必須とはされていませんが、学校づくりにおいて推奨されている事業と制度についてご紹介します。

 

 

エコスクール事業

文科省が学校などの施設整備において、環境対策もかねてエコスクールの整備を推進しています。

エコスクールは、環境負荷の低減や自然との共生を考慮した学校施設として建設し、教育の教材として活用したり、地域にとっての環境・エネルギー教育の発信拠点としたり、地球温暖化対策の推進・啓発の先導的な役割を果たしたりすることを目的としています。

 

また2022年(令和4年)6月からは、エコスクール・プラスとして文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省が連携協力して行う事業も始まっています。

 

エコスクール推進に伴い、エコスクール認定校として公表されますし、補助金制度を利用できる場合があります。

 

 

CASBEE学校という評価制度

エコスクール事業とも関連していますが、建物の環境性能を評価する手法のことであり、CASBEE学校は、CASBEEの中で学校に特化したものです。

もともとCASBEEという建築環境総合性能評価システムがあり、低炭素社会の実現に貢献する、快適で環境負荷の少ないサステナブルな建築物として「見える化」の一つとして、開発されました。

 

CASBEE学校は、学校設置者等の担当者が学校施設の環境性能について比較的簡易に評価できるようになっている点が特徴です。

 

まだ数は少ないですが、CASBEE学校を利用することを義務化している自治体もあります。

 

評価項目の数が多く少し面倒に思われるかもしれませんが、建築資材は何を使うのか、太陽光発電を導入しているか、照明・採光をどのように行なっているか、校庭を芝生化しているかといった建物を建てるにあたって、一つ一つ考えていくべきことが項目となっており、使いやすいかと思いますので、利用することをおすすめします。

 

 

 

 

特殊建築物の施工事例をみる

 

 

木造で学校を建てよう

学校は、特殊建築物であり、耐火建築物・準耐火建築物にしなければならないなど防火規制が厳しいですが、特殊建築物の設計・デザインで経験豊富な設計事務所に相談することで、木造で学校を建てるハードルが低くなるかと思います。

 

設立者として建物の構造・仕様を知っておくべきことではありますが、細かな数値などはプロにお任せすることが何よりでしょう。また土地選びからなど、できる限り早い段階から相談することをおすすめします。

 

 

 

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