木造建築の内装制限について

木造建築は、防火の面から敬遠されていましたが、近年の木造建築の推進により、防火面で基準が整いました。火災時の倒壊のことを考え、建物の骨格となる柱や外観にばかり注意が向けられていますが、内装に対してもいくつかの制限がかかっています。

今回は、内装制限で知っておくべき考え方から対象となる建築物・建築部分についてお伝えし、木造建築すべき理由についても考えます。

内装制限について

木造建築の魅力は、環境保全や林業を支えたり、木のもつ温かみを感じつつ、やさしい雰囲気でおしゃれにみせることです。
柱も大切ですが、できるだけ内装で使いたいですがら、条件を満たしながら、どれだけ木材を使えるかがポイントになります。

考え方

可燃物の多い用途であったり、排煙のための開口部がないなど、フラッシュオーバーを早める要素を持つ空間に対して、用途、規模、構造、開口部の条件で、壁及び天井の室内に面する部分
(建築基準法)

該当する部分に対して、燃えにくい材料で仕上げなければいけません。

プラッシュオーバーとは、火災時に室内の可燃物から生じたガスが天井部分にたまり、一定の温度・濃度に達した時に突然爆発的な燃焼を起こすことで、室内の局所的な火災が、数秒~数十秒のごく短時間に、部屋全域に拡大する現象の総称です。

バックドラフトが、空気不足でいったん火災成長が抑制された後に発生するのですが、プラッシュオーバーでは、空気供給をうけながら火災拡大するため、違いがあります。

燃えにくい材料

条件として、「燃焼しないこと」、「防火上有害な変形・溶融・亀裂などの損傷を生じないこと」、「避難上有害な煙、またはガスを生じさせない」こととあります。

以下の3つに分類されます。()内は求められる時間

●不燃・・・鉄・コンクリート、ガラス、モルタルなど(20分間)
●準不燃・・・15mm以上の木毛セメント板、9mm以上の石膏ボードなど(10分間)
●難燃・・・5.5mm以上の難燃合板、7mm以上の石膏ボード(5分間)

なお、上記以外にも決められた試験法で性能が確認できたものであれば、資材として使用することが可能です。

木材においても、技術開発により不燃材料・準不燃材料として国土交通大臣の認定を取得しているものもありますので、できる限り木質化した建物を建てたい際には有効です。

制限を受ける建築物と制限内容

主に特殊建築物に制限がかかりますが、特殊建築物などの中でも用途や規模、制限の度合いは異なり、該当する部分に対して、燃えにくい材料で仕上げなければいけません。
また、制限のかかる場所は天井及び壁の内装のみにとどまっています。

制限を受ける建築物の用途は以下を参照してください。

1.劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場その他これらに属するもの
2.病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設など
3.百貨店、マーケット、展示場、カフェ、飲食店など
4.地階、地下工作物内の 1〜3 の用途のもの
5.自動車車庫、自動車修理工場
6.排煙場の無窓居室(天井高6mをこえるものは除く)
7.火を使用する調理室、浴室、ボイラー室、作業室など
8.延べ床面積1,000㎡を超える大規模建築物
9.開口部がほどんどない居室があるもの

これらのうち、1・2・3においては、床面積などでの制限の違いがありますので注意しなければいけません。

燃えにくい材料による制限

上記の 1〜9 の用途に該当する建築物のうち、火気使用室においては、不燃・準不燃材料とすることが定められています。

また 1〜3 では火気使用室に加え、天井の内装では、不燃・準不燃・難燃材料とし、主たる廊下などの通路の壁および天井の内装にも不燃・準不燃材料としなければなりません。

4〜7 では、居室の天井や壁・通路には準不燃材料を用いることとされています。

8 では、居室の天井や壁(床面から1.2m以下の壁を除く)は難燃材料とし、通路などでは準不燃材料となっています。

いずれの用途にせよ、避難階段や特別避難階段では、下地もあわせて不燃材料とする必要があります。

注意すべきことは、3階以上の階を 特殊建築物の用途に供する場合は、天井は準不燃材料となります。

内装制限で対象外となる箇所

●床
●学校・体育館等(火気使用室・地階・無窓居室およびその避難経路以外)
●居室の中の床面から高さ1.2m以下の腰掛け部分
●居室などで、天井を準不燃材料にした場合の壁の仕上げ材
●柱、回縁、鴨居等、室内に面する部分の面積が各面の面積の10分の1 以下の場合

上記以外の箇所で、内装制限の適用が除外される場合があります。

●スプリンクラー設備などと排煙設備を設けた場合ー>すべての箇所に木材が使用可能となる
●避難安全検証法で確認された場合ー>木材の使用箇所が増える

避難安全検証法では、天井を高くしたり、窓を大きくすることで、在館(階)者の避難行動を予測し、各階又は建築物が煙・ガス等により避難上支障となる時間を比較して、安全に避難できることを確認します。

木造建築にすべき理由を考える

守谷の保育園 ランチルーム

不特定多数の人が利用する建築物に対して、「特殊建築物」に該当することが多いですが、「木」を使うことで、環境保全・地球温暖化対策などに役立てています。

技術開発が進み、防火面に対して基準が整えられましたが、本当に安全かつ快適に利用できるのかも加味しなければなりません。

改めて考えてみましょう。

■鉄やコンクリートより地震に強い
■火による倒壊の可能性が低い
■夏は涼しく冬は暖かい空間になる
■調湿してくれる
■転倒しても安全
■心身が健康でいられる(睡眠の質・免疫力)
■森林浴をしているようなリラックス効果がある

建物の強度は申し分なし

鉄やコンクリートよりなぜ地震に強いのか、といういうと、「重さ」に関連します。鉄やコンクリートに比べ、木の重さははるかに軽いのですが、軽いために、基礎地盤の補強への負担が少なく、地震による振動エネルギーがかかりにくいため、結果的に地震に強いのです。

また火災の際には、木の表面が燃えたとしても、芯の部分まで火が進みにくいため、最終的に建物を支えてくれるのです。鉄では火災時の温度では変形しやすく、最終的に倒壊しやすいことがわかっています。

つまり、地震や火災に対して、他の資材よりも強いのです。

心身とも健康で安全

木は熱伝導率が鉄やコンクリートに比べ低いため断熱性が高いこと、また調湿効果があるため、”夏は涼しく、冬は暖かい”環境にしてれます。その他木の香りによるリラックス効果で、血圧の上昇を抑え、睡眠の質をあげたり、病原菌をよせつけない性質によって病気にかかりにくくなったりと、健康的に過ごすことができると実験などで証明されています。

積極的に木造建築を検討しよう

建物を利用する人にとって、空間の心地よさや安全面など十分に確保できるため、むしろ木造建築にしない理由はないかと思います。

せっかく施設など建てるなら、何度も利用したいと思う空間にすることで、経営上でも安泰になってくるのではないでしょうか。ただし、特殊建築物のような特殊な建物は、一般住宅と異なり、建築基準法や消防法以外でも遵守しなければならない法令がありますので、ノウハウのあるプロにご相談ください。

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