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木の学校(幼稚園や保育園含む)づくり

これから大きな建物(事務所や施設)を建てようとしても、「木造」が当たり前となっています。当たり前となっている理由は、木造が林業・環境保全・木がもたらす効果も重なり、推進されているからです。

小・中学校施設を含め、幼稚園や保育園舎も「木造」にする対象となっており、該当する施設の建築や改修を検討している方に、ぜひ「木の学校づくり事業」での提唱されているポイントを知り、ポイントを満たした建物を建ててほしいのです。

コラムのポイント●木の学校づくりは、子どもたちのよりよい教育環境を整えることが可能です。
●木の学校づくりによって、地域との連携ができたり、地元産や地域材の活用をすることで、地場産業や技術の伝承にも一役買います。

木の学校づくりとは

文部科学省が行っている取り組みの一つであり、子どもたちが、1日の大半を過ごす場所として、よりよい環境の中で教育が受けられるように考えられ、さらに全国規模で木材の利用を推進することを目的としています。

建築基準法改正により規制緩和されたことにより、中規模建築物で、木材の利用が可能になったことが大きな要因にもなっています。

木の学校づくりのポイント

木の学校をただづくればいいというわけではありません。以下のポイントを留意し、学校施設のあり方、木材の使い方を考えていかなければなりません。

木の学校づくりのポイント
1. 豊かな教育環境の実現
2. 環境負荷の低減、環境教育への活用
3. 地域の森林資源の有効活用
4. 地場産業の振興
5. 地域の大工技術を活かした学校づくり(建築技術の普及、継承)
6. 木材調達に関する地域間の連携
7. 地域の風土、文化との調和、継承
8. 地域住民参加型の学校づくり
9. 地域住民との交流による地域のシンボルとなる学校づくり
(引用:文科省発刊 木の学校のすすめ)

すべてのポイントを満たすことは難しいですが、できるだけ多くのポイントに該当するようにつくりましょう。
ポイントをどうやって満たせばよいのか、噛み砕いてお伝えします。

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1. 豊かな教育環境の実現について

木には、人を惹きつける魅力があります。木が持つ色味、質感、香りなど五感を刺激し、和みを感じます。

教育環境を、木を使って整えていくことで、五感・心を豊かにすると考えられています。具体的に考えてみましょう。

<視覚でのメリット>
木が持つ色は、木によって異なりますが、赤みを帯びた黄色をしており、温かみを親しみやすさを感じさせてくれます。
また光を吸収してくれる働きもあることから、目に飛び込んでくる自然の光は、柔らかくなった状態であり、目に優しいです。
コンクリートなど無機質なものに比べ、紫外線線も吸収してくれるため、木の空間の中で過ごすことは、眼精疲労を抑える効果もあります。

<触覚でのメリット>
木材はコンクリートと比較して熱容量や熱拡散率が小さいため、木造の教室の床、壁は、 鉄筋コンクリート造の教室と比べ、温まりやすい。 ○ 足元の冷えは、倦怠感や眠気を催し、作業能率を下げることにつながるが、床に木材を利 用した場合、室温と床表面温度の差が小さくなり、足元の快適性が向上します。
これまでの体育館では、底冷えがするとよく言われていましたが、木材にすることでヒヤッとしませんし、夏場も湿気によるべたつきも軽減できます。

<嗅覚でのメリット>
木の香りには、アロマセラピーの効果があり、人によって香りの捉え方が異なりますが、リフレッシュやリラックスが感じられます。

木の空間をつくりあげることで、子どもたちが感じる五感を育むことになり、より豊かな教育環境を整えることができます。

2. 環境負荷の低減、環境教育への活用

木を使うことで、建物が森林のような空間を形成し、二酸化炭素の発生を軽減することができます。
また、普段から接しているもの、身近なものは、関心を寄せやすく、環境保全の関心にもつながっていきやすいと考えられます。

3. 地域の森林資源の有効活用

「4. 地場産業の振興」とも結びつきますが、「地元産」、「地域材」の木材を使用することができる上に、地元の山や自然、地場産業の学習の実教材としても活用でき、より地場産業が活躍する機会が増えることが期待できます。

「5. 地域の大工技術を活かした学校づくり(建築技術の普及、継承)」に関するポイントも満たすことが可能になります。
地域の大工技術が地場産業と関わっていることが多いためです。

6. 木材調達に関する地域間の連携

「地元産」「地域材」の活用すると、地場産業や技術の伝達など、人と人との結びつく機会となります。
「7. 地域の風土、文化との調和、継承」も同じでしょう。

高温多湿な気候である日本ですが、国内すべてが同じ気候ではありません。木の学校をつくる上で、地域の気候に合わせてつくる必要があり、気候を熟知した人に協力を求めなければなりませんから、地域の人との連携も可能になります。

人は新しくできるものには、興味を示しやすいですが、もし、建築段階から何らかの関わりをもつと、より興味・関心を抱きますし、建物の完成後も関わりを持ちたいと、何となく思います。
当該建築物の関係者でなくても利用できるように、カフェブースを設けたり、ワークショップやセミナーを開催することも考えておくと好感度は抜群でしょう。

補助金も利用できる場合がある

木の学校を含めた施設では、「木造・木質化」が推進されているため、国としても補助金制度をつくることで、後押ししています。

学校などの施設関連を管轄しているのは文科省ですが、林野庁でも「木造・木質化」に関する管轄を行っているため、両方のHPなどを確認したり制度を確認してみましょう。

学校施設を建てる際の留意点

子どもたちの豊かな教育環境を整えることが根底にありますが、これからは地域活性化の一旦を担えないか、また地域の実情に合っているのかも踏まえて、木の学校づくりを計画していく必要があります。

木造建築は、法隆寺のように、耐用年数が非常に長いです。学校も長く、大切に使っていくために、どう維持するのか、メンテナンスも考えましょう。

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まとめ*木の学校(幼稚園や保育園)を建てよう

1歳児保育室

木の学校とは、小学校や中学校といった学校だけが対象ではありません。学校に関連する施設も含まれます。

例えば、大学施設内のでの図書館や食堂、ホールも含まれますし、幼稚園や保育園の園舎も対象となります。

実際に建物を建てる際は、ご紹介した『木の学校づくりのポイント』を軸にどんな学校にするのか考えるといいと思いますが、他にも学校教育法や児童福祉法などで決められている、施設・建物の必要設備や広さなども考えていかなければなりません。

これまでに多くの施設を手がけたことのある設計士に、早くから相談することで、イメージもわきやすくなり、地元の方への協力を仰ぎながら、同時進行で進めることも可能になるでしょう。


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