設計コンセプト

戸建て住宅の用途変更に伴う建築確認の緩和について

平成31年6月26日をもって建築基準法は、『戸建て住宅の用途変更に伴う建築確認の緩和』されました。

緩和された背景には、近年増えている空き家の活用、高齢化社会の中で必要とされる老人ホームなどのサービスを満たしていく目的があります。しかしながら、表面的な”緩和”であり、実際に戸建て住宅を老人ホームなどに変更するには注意点がいくつもあります。

『戸建て住宅の用途変更に伴う建築確認の緩和』でどう変わったのか、旧建築基準法と比較し、なぜ表面的な”緩和”にすぎないのかといった点についてご紹介します。

用途変更と申請

建物を施工する際に、「住宅を建築します」といった建物を何として使用するのかを明らかにし、申請しなければなりません。

そして、『住宅→店舗』『住宅→宿泊施設』といった、建物の使用目的を変更する場合に、用途変更の確認申請の手続きが必要です。

『店舗や宿泊施設(特殊建築物に該当する建物)』では、利用者の安全面確保するために、相応しい広さや設備などが建築基準法で細かく規定されています。その規定を満たしかを確認するために、用途変更の手続きが求められています。

実際に手続きを行うためには、いくつもの書類が必要ですし、多くの費用と手間がかかります。

なお専用住宅や長屋、事務所、銀行、市役所、神社・寺院などの非特殊建築物を、そのまま非特殊建築物に用途変更する場合は、確認申請は不要となっています。

特殊建築物とは

建築基準法第2条から引用しますと下記の建物が該当します。

学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。),体育館,病院,劇場,観覧場,集会場,展示場,百貨店,市場,ダンスホール,遊技場,公衆浴場,旅館,共同住宅,寄宿舎,下宿,工場、倉庫,自動車車庫,危険物の貯蔵場,と畜場,火葬場,汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物

特殊建築物は、多数の人が使用することもあり、衛生面や防火の面で、厳しい規制が定められています。建築時には、衛生面や防火対策として必要な設備があり、消防や保健所にも各種申請や手続きが必要です。

今回の”緩和”におけるポイント

・確認申請が、のべ面積100㎡から200㎡超に変更

例えば”緩和”前は、建物を『居宅』として用途申請し、特殊建築物として用途変更する場合、建物の延べ床面積が100㎡以下であれば確認申請の手続きは必要がなく、100㎡以上であれば、確認申請が必要でした。

”緩和”後は、確認申請が必要なのは、建物の延べ床面積が200㎡超の場合と変更になったのです。

 

・耐火構造への変更が不要となった

建物を老人ホームのような特殊建築物にする場合、火災などの災害の際に避難でき、耐火構造が必要です。

しかし、延べ面積200㎡未満かつ3階建て以下の木造建築物の住宅を用途変更する際、迅速に避難できる措置があれば、耐火構造にする必要がなくなりました。

”緩和”により、耐火構造への変更が不要となったことで、工事の必要性がなくなり、費用も時間も短縮できるようになったのです。

改正における”確認申請の緩和”での注意点

用途変更での確認申請は不要になり、手続きが簡単にはなりましたが、『建築物はその用途に応じた法律や自治体の条例などが適用される』ことを忘れてはいけません。

検査済証の有無

本来建物は、「建築確認・中間検査・完了検査」を経て建築基準法に適合していると認められた際に『検査済証』が発行されます。しかし、古い建築物ほど『検査済証』が交付された建物は少ないのが現状で、空き家からの用途変更の際の問題点となっています。

『検査済証』は、改修・改築時には必要不可欠な書類だからです。『検査済証』がない場合、さらに再取得のための手続きが必要になります。

その土地の用途

該当する地域が、第一種低層住居専用地域として認められている場合、老人ホームにすること可能ですが、
高さ制限(10mもしくは12m)が変わることはありません。

安全措置は必要

耐火構造にする必要はなくなったとしても、建物の中にいる人が避難できるように、自動火災報知機等の設置・非常用照明の設置は必要ですし、消防や保健所への手続きは必要です。

定期報告が必要な場合もある

定期報告とは、その建物が安全かどうか定期的に専門家にチェックをしてもらい、管轄する自治体への報告書の提出が求められている制度のことです。

用途変更後の建物が、「3階建て以下で、床面積が100㎡を超える」場合は定期報告が義務付けられています。床面積が100㎡超のままという点に注意が必要です。

建物全体で考える必要性

戸建て住宅から特殊建築物への用途変更の場合、あまり想定されることはありませんが、もともと1階部分が飲食店として申請していた場合、2階部分も変更することになったとします。

2階部分で200㎡以下での用途変更でも、1つの建物としてみなされますので、1階部分と合算して計算しなければなりません。つまり、1階と2階部分と両方で200㎡以下であれば確認申請は不要ですが、200㎡超えた場合は、これまで通り、確認申請は必要です。

老人ホームや民泊のビジネスチャンス

政府側からすると、空き家の活用や高齢化社会の需要に応えることが”緩和”の背景にはありました。事業者・これから企業を考えている人にとっても、社会への貢献度も高く、ビジネスチャンスといえます。

今回の『戸建て住宅の用途変更に伴う建築確認の緩和』でも、社会福祉施設である老人ホームであれば、個人の部屋の広さなど定められていることがあり、細かく難しい法律がのしかかります。これらを理解し行動するために、建築においては、建築のプロである建築士に頼りましょう。もちろん、老人ホームなどの福祉施設での経験・実績がある建築士かどうかも大切なポイントです。

必要な書類を準備しよう

まずは、使用したい空き家の資料が必要です。以下の4つの書類は有無を確認しましょう。

・検査済証
・確認済証
・図面(確認申請図、竣工図、構造計算書、増改築した場合はその図面など)
・消防適合証明書の書類(あれば)

書類が揃っていない場合でも、検査済証の再取得手続きのような対応ができる場合がありますので、依頼する建築士に相談しましょう。

 

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