小規模保育が国の地域型認可事業の一つとなってから、7年となり、利用者・利用希望者は増加しています。保育事業の中では、比較的開業しやすく、ニーズが断続的に見込まれることから、ビジネスチャンスとして判断してもいいのではないでしょうか。
ただし小規模保育は、開業にあたり設備基準などが設けられていること、子どもが健やかに成長するための場であり、保護者が安心して預けられる場でなければいけません。
今回は、小規模保育の設備基準や健やかな成長を促すための設備・建物におけるポイントをまとめました。
コラムのポイント●小規模保育の概要、種類、設備基準について知ることができます。
●小規模保育における設備面・建物でのポイントをまとめています。
Contents
0歳児から2歳児までの待機児童の解消を目的としながら、多様性のある保育、質が高い保育を提供できるようにするために、平成27年度(2015年度)の子育て支援法改正に伴って、つくられた地域型認可事業の一つです。
利用定員は6人以上19人未満と定められています。(ただし、10人以下の場合もあります。)
0・1・2歳児です。ただし、保育(3号)認定子どものみと限定されています。
保育(3号)認定とは、子ども・子育て支援法第19条第1項第3号に該当することです。
満三歳未満の小学校就学前子どもであって、保護者の労働又は疾病その 他の内閣府令で定める事由により家庭において必要な保育を受けることが困難であるもの
引用:子ども・子育て支援法第19条第1項第3号
小規模保育には「A型」「B型」「C型」の3つの形態があります。
保育内容の違いというよりも、職員の資格、人数が異なっています。
職員 | 職員の必要資格 | |
A型 |
・0歳児:3名につき1名 ・1歳児:6名につき1名 |
全員保育士もしくは国家戦略特別区域限定保育士 ※保健師、看護師又は准看護師を保育士としてみなすことも可能 |
B型 |
・0歳児:3名につき1名 ・1歳児:6名につき1名 |
全職員のうち2分の1が保育士、もしくは国家戦略特別区域限定保育士 ※保健師、看護師又は准看護師を保育士としてみなすことも可能 |
C型 | 年齢問わず、 3名につき1名 ※家庭的保育補助者がいれば 5名につき1名 |
家庭的保育者 |
小規模保育園は、2歳を超えると、基本的には卒業しなければなりません。
保護者にとっては、保活をしなければならず、大変ですよね。
そこで、園が他園と連携をとって、卒園後に通園できるようにしなければなりませんでした。
しかし、他園との連携が取れず、新しい園を開園できないことが多く、自治体が率先して地域内の他園に入園できるように調整するシステムを構築するようになってきました。
ただし、まだ全自治体で実施できているわけではありませんので、各自治体に状況を確認しましょう。
設備基準の一つに、上記でお伝えした職員の人数・資格も満たしていなければなりませんが、ほふく室・遊戯室の広さ、園庭の広さなど基準が定められています。
職員の人数・資格も合わせて、ご紹介します。
20名以上を定員とする保育所と同等の基準です。保育所の分園のような位置付けです。
<設備基準>
●乳児室またはほふく室(0・1歳児):乳児1名につき3.3㎡以上
●保育室または遊戯室(2歳児):幼児1名につき1.98㎡以上
●屋外遊戯場(付近にある屋外遊戯場に代わるべき場所で代用も可能):幼児1名につき3.3㎡以上
※屋外遊戯場が必要であるのは、2歳児を受け入れる場合です。
●調理設備
●トイレ
<スタッフ基準>
●全員保育士もしくは国家戦略特別区域限定保育士
●0歳児:3名につき1名、1歳児:6名につき1名に加えて+1名が必要
●嘱託医
●調理員(調理業務の全部を委託する場合は不要)
<建築基準>
●乳児室、ほふく室、保育室または遊戯室を2階に設ける場合、耐火建築物もしくは準耐火建築物であること
●2階以上の建物の場合、屋内階段、屋外階段、バルコニーを設ける
●調理設備の部分が耐火構造の床もしくは壁、特定防火設備で区画されていること
●壁及び天井の室内に面する部分の仕上げ材料が不燃材料であること
●子どもが出入し、通行する場所に、乳幼児の転落事故を防止する設備を設けること
●非常警報器具または非常警報設備および消防機関へ火災を通報する設備を設けること
●カーテン、敷物、建具等で可燃性のものについて防炎処理が施されているものであること
A型とC型の中間の位置付けです。
<設備基準>
A型に準じる
<スタッフ基準>
●全職員のうち2分の1が保育士、もしくは国家戦略特別区域限定保育士
●0歳児:3名につき1名、1歳児:6名につき1名に加えて+1名が必要
●嘱託医
●調理員(調理業務の全部を委託する場合は不要)
<建築基準>
A型に準じる
3つの形態の中で、もっとも家庭的な保育を提供します。ただし、利用定員は6名以上10名以下です。
<設備基準>
●乳児室またはほふく室(0・1歳児):乳児1名につき3.3㎡以上
●保育室または遊戯室(2歳児):幼児1名につき3.3㎡以上
●屋外遊戯場(付近にある屋外遊戯場に代わるべき場所で代用も可能):幼児1名につき3.3㎡以上
※屋外遊戯場が必要であるのは、2歳児を受け入れる場合です。
●調理設備
●トイレ
<スタッフ基準>
●家庭的保育者
●3名につき1名 ※家庭的保育補助者がいれば5名につき1名
●嘱託医
●調理員(調理業務の全部を委託する場合は不要)
<建築基準>
A型に準じる
小規模保育園を開園するにあたり、定められた設備基準などを遵守することは、最低限のことです。
保護者から信頼される、子どもの安全を守れる、質の高い保育の場を提供するためには、ワンランク上の視点で準備することがポイントです。
限られた空間の中であるため、遊んでいる子の横で寝ている子がいる、ご飯を食べている子がいる場合があります。
まだまだ行動に限りがある年齢だとはいえ、踏んでしまう、転んでしまうなどリスクがあります。
遊んでいる子、寝ている子、ご飯を食べている子が安全に行動できるためには、きちんとスペースを分けることが大切です。
部屋が別につくれないのであれば、可動できる仕切りなどできちんと線引きできるようにしましょう。
おもちゃや養育上必要な道具を置いておくために、棚を利用することが多いですが、子ども用で販売されているタイプの商品を選びましょう。
角の部分が丸くなっている、子どもが取り出しやすい高さになっているなどの工夫がされているものだからです。
子どもが怪我のリスクを抑え、スムーズに使えるだけでなく、大人がちょっとのぞき込めば、様子が見えるメリットがあります。大人の目が届きやすい環境づくりが可能になります。
0歳児・1歳児は、主に寝ることが大切な時期です。一般的な保育園ではお昼寝用の布団を持参してもらうことが多いですが、荷物が多くなり、大変です。
自転車で送り迎えをする場合も、安全が損なわれてしまいます。
ベッドがある、布団を用意しなくていいという点だけで、保護者にとっては非常に魅力的に感じられます。
小規模保育園では、マンションやアパートの1室を利用して開園することもあります。
小規模だからこそ、空きスペースを活用したりすることができますが、保育所や幼稚園のように、大きな窓がある部屋でない場合があります。
明るい空間であれば、清潔感もあり、楽しそうな雰囲気が伝わってきますので、ここなら安心できる!と好印象をえやすいのです。
もちろん、子どもにとってものびのびと遊ぶことができるでしょう。
小規模保育園では、スペースに限りがあります。そのため、遊戯室に掃除用具が乱雑に置かれていることがあります。
遊ぶスペースには遊ぶものだけがあるようにしなければ、安心して遊ぶことができません。
だからこそ、しっかりと掃除道具や事務用品の収納スペースは余裕をもって確保しておくことが大切です。
小規模保育園では、オムツで過ごす子どもが多いですが、トイレトレーニングをする子もいます。
小さな子ども専用のトイレがあることがベストですが、難しいこともあるでしょう。
せめて大人が補助をしやすい、怖くないイメージを与えるように広めで清潔感のある空間にしましょう。
また、おむつで過ごす子も、時にはおむつから漏れてしまったり、お尻や背中まで汚れてしまったりすることがありますので、さっと洗えるように専用の場所をつくる、もしくは動線を確保しておきましょう。
質の高い保育を提供するためには、子どもが怪我のリスクが少なく、しっかりと遊べ、ご飯を食べ、眠れる環境をつくることです。そして、保育士の目がしっかりと届くことが、みんなにとって安心できる空間なのです。
限られた人数の中で、さまざまな子どもをみることは、つねに緊張感を持っていなければいけません。
だからこそ、スムーズに事ができるように、動線を確保し、死角をなくし、設備を充実させることが必要です。
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