狭い保育室が増えています。というのも、小規模保育事業であったり、マンションなどの1室を利用した保育園であったり、狭小地に園舎を建てたりする場合が増えているからです。
しかし、狭い保育室は、保護者からは敬遠されてしまうことが多いことが分かっています。
狭くても保護者から信頼をえられるような保育室の環境づくりを目指しましょう。
コラムのポイント●保育園等の認可事業の設備基準をまとめています。
●狭い保育室の環境の問題点が分かります。
●狭い保育室の環境をよくするために、どうすべきか提案しています。
Contents
国もしくは自治体で「認可」されている保育園事業、小規模保育事業、家庭的保育事業、事業所内保育事業に関する設備基準についてお伝えします。
どの事業を行うかによって、必要な園の広さや職員に資格・人数が異なりますので、整理しておきましょう。
なお「認可外」に該当する事業は、基準が異なりますので、注意してください。
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」を満たした保育施設のことです。0歳児から就学時前までの子どもが対象です。
<建物の設備面>
●保育室の面積は、0歳・1歳:1人あたり3.30㎡/2歳児以上:1人当たり1.98㎡以上
その他調理室やトイレを設ける、保育室を2階以上に設ける場合は、建物が耐火建築物もしくは準耐火建築物でなければならないといった基準も設けられています。
<職員>
■0歳児:3名に対して1名
■1歳児・2歳児6名に対して1名
■職員全員が保育士の資格を保有
小規模保育事業とは、0〜2歳児までの子どもを、認可保育所(原則20名以上)より少ない、定員が6人以上19人以下の少人数で運営する国の認可事業の一つです。
「A型」「B型」「C型」があり、保育室の面積は、認可保育園と同等です。違いは職員の基準数、資格に違いがあります。
なお
●保育室の面積は、0歳・1歳:1人あたり3.30㎡/2歳児以上:1人当たり1.98㎡以上
それぞれの違いを見ていきましょう。
保育所分園やミニ保育所に近い形態です。
<建物の設備面>
(0歳児、1歳児の幼児が利用する場合)
●乳児室またはほふく室、調理設備及び便所を設ける
●乳児室またはほふく室には、保育に必要な用具を備えること
●乳児室またはほふく室の面積:幼児1名につき3.3㎡以上
(2歳児以上が利用する場合)
●保育室または遊戯室(保育に必要な用具も備える):1名につき1.98㎡以上
●屋外遊戯場(代用可能):1名につき3.3㎡以上
●調理設備及び便所
<職員>
■認可保育園の設備基準にプラス1名
■全員が保育士の資格を保有
A型とC型の中間の形態です。
建物に関する規定は明記されていませんが、A型に準じましょう。
<職員>
■認可保育園の設備基準にプラス1名
■職員のうち2分の1以上が保育士の資格を保有
家庭的保育(グループ型小規模保育)に近い形態です。
<建物の設備面>
(0歳児、1歳児の幼児が利用する場合)
●乳児室またはほふく室、調理設備及び便所を設ける
●乳児室またはほふく室には、保育に必要な用具を備えること
●乳児室またはほふく室の面積:幼児1名につき3.3㎡以上
(2歳児以上が利用する場合)
●保育室または遊戯室(保育に必要な用具も備える):1名につき3.3㎡以上
●屋外遊戯場(代用可能):1名につき3.3㎡以上
●調理設備及び便所
<職員>
■園児の年齢に関係なく、3名につき1名(補助者を置く場合5名につき2名)
■自治体の研修を修了した家庭的保育者
家庭的保育事業とは、地域型保育事業の一つであり、家庭的な環境で異年齢保育を行う事業です。
<建物の設備面>
●乳幼児の保育は、専用の部屋を設ける
●乳幼児専用の保育室は、9.9㎡以上(3名まで)
(3名以上の場合1名につき3.3㎡以上を超える面積に広げる)
●保育衛生上、必要な採光、照明及び換気の設備
●衛生的な調理設備及びトイレ
●屋外における遊戯等に適した広さの庭(敷地内もしくは付近でも可)
●庭の面積は、満2歳以上の幼児一名につき3.3㎡以上
●火災報知器及び消火器を設置し、消火訓練及び避難訓練を定期的に実施
<職員>
■自治体の研修を修了した家庭的保育者
定員が20名以上で、0歳児~2歳児を対象とし、事業所内やその他のスペースに保育施設を設置し、企業が主体となって運営する、地域型保育事業の一つです。
<建物の設備面>
(0・1歳児が利用する場合)
●乳児室またはほふく室、医務室、調理室、トイレを設ける
●乳児室またはほふく室に保育に必要な用具を備える
●乳児室の面積:1名につき1.65㎡
●ほふく室の面積:1名につき3.3㎡
(2歳児が利用する場合)
●保育室又は遊戯室:1名につき1.98㎡
●屋外遊戯場:1名につき3.3㎡
●調理室及び便所
<職員>
■0歳児:おおむね3名につき1名
■1・2歳児:おおむね6名につき1名
■保育士の資格を保有
どの保育事業も、各自治体に認可されて運営が始まっているため、上記の基準は満たしています。
しかし、狭い保育室では保護者の視点からは敬遠されがちです。運営をきちんと軌道に乗せ、子どもたちを安心して預かれる場となるように、よりよい保育環境をつくりましょう。
・暗い
・保育用具や遊び道具でいっぱいでごちゃごちゃしている
・施設が狭く、園庭がない
・0歳児から2歳児までは同じ部屋でうるさそう
・赤ちゃんがハイハイや腹ばいで安全に遊べなさそう
・子どもの密度が高い
・子ども用のトイレがない
・保育士の疲労がみえている
抜粋:保育園を考える親の会 保育園見学して預けたくないと思った施設
一方で、小規模保育に預けて満足している方が多くいることも分かっています。
・少人数で子どもに対して手厚い
・目が行き届いている
参考:特定非営利活動法人 全国小規模保育協会 小規模保育白書
結果をまとめると、怪我のリスクが少ない安全な保育環境で育てたいから、狭い保育室に嫌悪感を抱いていることが分かります。
0歳児から2歳児までは、特に個人の成長が著しく異なる時期です。
腹ばい、ずりばい、はいはい、つかまり立ち、よちよち歩き、走るなど様々です。同じスペースにいるだけで、怪我のリスクがあります。
だからこそ、年齢ごと遊びコーナーを設けることで、ここが遊んでいい場所と認識し、行動できるようになります。
狭い保育室の中で難しいとは思いますが、お昼寝コーナーと遊びコーナーと差別化は積極的に実施しましょう。
大人の高さと子どもの高さが異なりますよね。各コーナーを差別化するために、本棚やおもちゃの置き棚を利用するかと思います。
必ず子ども用の家具を置きましょう。背が低く、子どもの目線に合っていますし、角が丸まって安全性が非常に高い設計でつくられています。
少し離れた場所からでも、大人が覗けるメリットもあります。
狭い保育室では、どうしても暗く見えてしまうデメリットがあります。20名以上受け入れる保育園では、それだけの広さがあり、光が多く入り、明るく見えます。
保護者は、保育園見学を数回以上行なっているため、比較検討する際は、明るい園を希望しますので、保育室が狭いとどうしても嫌悪してしまうのです。
では、狭い保育室でも明るくするには、どうすべきでしょうか。
明るい色の木質の壁や床にしましょう。窓が小さくても、明るく見せることができます。
子どもが遊ぶ場だからと、ポップな色使いをする場合がありますが、狭い保育室の環境ではおすすめしません。
色がたくさんあることで、室内がゴチャゴチャしている印象を与えてしますからです。極力白やベージュを多用し、ほどよく優しい色味の暖色系の色やグリーンを使えば、スッキリ感が生まれ、好印象を与えてくれます。
待機児童がいるように、保育をしてくれる場所が求められていることは間違いありません。
ですが、保護者として、安心して預けられる場所を求めており、狭い保育室でも好印象を持たれるような空間づくりが大切です。
だからこそ、子どもの空間づくりを得意としているプロに積極的に相談してください。
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