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SE構法|大空間と地震に強い建物をつくる秘訣

共同住宅や介護系施設、病院・クリニック、園舎・校舎、店舗・事務所、商業施設など中規模建築物もしくは大規模建築物として建てられることが多いですね。

公共建築物を木造化する動きが活発化し、2021年には一般的な建築物は『木造』で建てようという法令が施行され、今はまず『木造』で建てることを検討するでしょう。

しかし中規模・大規模建築物となる場合、不特定多数の人が利用する建物である場合が多く、何より安全性が求められ、一般住宅とは異なった構法で建てられます。

今回は、木造で中規模・大規模建築の際に採用されやすいSE構法についてお伝えします。
SE構法は地震に強い構法ですので、安全性が求められる建物におすすめの構法です。

コラムのポイント●SE構法とは、どんな構法か、なぜ地震に強い構法なのか知ることができます。
●SE構法のメリット・デメリットが分かります。

 

 

 

SE構法とは


SE構法とはSafety Engineering( Engineering For Safety)の略称で、木造建築の工法の一つです。

構造様集成材とSE金物と呼ばれる接合金物を用いて、建物の構造をフレーム(枠)で支えます。

強く頑丈なフレーム(枠)で形成された構造=ラーメン構造(※ラーメンとはドイツ語の額縁・枠の意味)と呼ばれており、SE構法は、「木造」のラーメン構造であることを意味します。

 

 

・構造様集成材とは?
所要の耐力を目的として等級区分したひき板(ラミナ)を集成接着したものであり、寸法や断面積によって大断面・中断面・小断面に分類されます。

引用:日本集成材工業協同組合

 

 

SE金物

SE構法において、要となるのがSE金物です。
SE金物は、表面を環境に優しい水溶性の電着塗料の中につけ、浸し、直接電流をかけ塗料を付着させるカオチン電着塗装コーディングが何重にも施されています。
均一で密着性の高い塗膜のため、高い防錆能力があり、100年以上の驚異的な耐久性があると考えられている非常に丈夫な金物です。

つまり、SE金物は、SE構法を支える非常に重要な役割を果たしています。

どのように構造材同士をつなぎあわせているのか、簡単にお話します。
構造材(柱と梁)に薄いスリット加工がされ、SE金物が取り付けられます。SE金物が取り付けられることによって、構造材同士がつながるように結合することができます。

 

住宅の木造建築での一般的な構法は在来工法と呼ばれる工法ですが、構造材同士を接合させる際、一つの構造材にもう一つの構造材を“はめこむ”ようにしてほぞ継ぎで接合されます。
つまり、一つ目の構造材には、“はめこむ”ための穴が削られるため、断面の欠損が広くなります。

 

さて、在来構法では構造材同士を結合させる際、“はめこむ”のに対しSE構法では“つなぎ”合わせていることに大きな違いがあります。

 

 

構造計算

構造計算とは、建物自体(構造材や壁・窓など)の重さや荷重(屋根、バルコニー、床、棚エレベーター、ピアノなどの家財道具など)、地球の重力、地震や台風などの横向きの力に耐えられるかどうかを専用のソフトウェアを用いて計算することです。

構造計算を行うことによって、建物の安全性が検討され、確認されます。

なお、SE構法では基礎から全棟構造計算が精密に行われます。

 

 

地震に強い

SE構法によって建てられた建物は、強靭なSE金物と構造材がもつ頑丈さ、そして細かい計算によって安全性が確かめられています。

特に構造計算時には、「地震」が想定され、なおかつ「地震」に対する耐力も計算されているため地震に強いのです。

SE構法は阪神大震災以降に見出された工法で、比較的歴史が浅い工法ではありますが、現在までSE構法によって建てられた建物で、地震によって倒壊した建物はないとされています。

 

 

品質が高い

SE構法で使用されるSE金物の耐久性は、先述の通り、品質が高く安心があります。

また構造材ですが、構造計算を行うためには安定した品質の建材が必要となっており、SE構法では、JASで認められた信頼性・品質が高い構造材が使用されます。

 

 

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SE構法のメリット

SE構法で建てられた建物は、地震に強い、信頼性の高い品質の建材が使用されること以外でのメリットも考えてみましょう。

 

 

大空間が可能

中規模・大規模建築では、体育館など様々な用途の建築物が該当しますが、開放的な空間が好まれます。

建物を支えるためとはいえ、どんっと中央に柱があるよりも、柱がなく広々としている方が心地よく感じられます。

また大空間が可能になることで、内装のデザインにこだわりたい、意匠性の高い空間デザインも可能になります。

 

 

サステナブルな社会に貢献できる

一般建築物を木造・木質化しようという法令に則ることだけではありません。

積極的に木材を使うことによって、自然環境のサイクルを循環させることにもなりますし、木材が鉄筋造より軽いため、運搬時にかかるエネルギーの使用量を抑え、CO2の削減、サステナブルな社会に貢献することができます。

サステナブルな社会に貢献することで、ESG投資や企業の信頼性を獲得しやすくなるため、有益かと思います。

 

 

コストダウンに期待できる

鉄筋造とSE構法と比較した場合、SE構法の方が建築費用を抑えられる可能性が高くなります。

例えば基礎工事では、建物の自重・荷重が重い鉄筋造を支えるしっかりとした土台(基礎)が必要となり、工期が長く、付随する人件費も高くなります。一方SE構法であれば、鉄筋造に比べると建物の自重・荷重が軽いため、基礎工事が小規模となり、工期も短く、人件費もコストダウンすることができる可能性が高いためです。

 

 

屋上を利用しやすい

SE構法では精密な構造計算が行われるため、屋上を安全に利用しやすくなります。
災害に備え、太陽光発電を採用することもあるでしょうし、教育の一貫として菜園もつくる場合も屋上を利用することができます。

特に限られた土地の中で建物を建てるため、屋上も活用することは、無駄なく建物を活用できることは非常に魅力的ではないでしょうか。

 

 

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SE構法のデメリット

SE構法は地震に強いため、利用者が地震の際に建物にいても、いのちを守る可能性が高くなります。
特に中規模・大規模建築物の建物の用途の多くは、不特定多数の方が利用することが予想することができ、何より安心して利用することができるでしょう。

しかし、SE構法もデメリットがあることは事実です。

 

 

コストがかかる

メリットでコストダウンについてお伝えしているにもかかわらず、なぜコストがかかるのかというと、一般的な木造建築(在来工法)と比較した場合、コストが高くなってしまうからです。比較している工法が異なっていることに注意してください。

ざっと考えると、コストは以下ように考えることができます。
鉄筋造>SE構法>在来工法

 

 

SE構法を請け負える業者が限定

中規模・大規模建築をこれまでに経験しているからといって、どんな設計事務所であれSE構法で建てられるとは限りません。

所定のセミナーを受講し、その後SE構法ができる業者として認められるためです。

施工主側から工法を指定することはあまりないことかと思いますが、地震に強い工法を調べていたら、SE構法にたどり着き、SE構法で建てたいと強く希望している場合、施工業者を探すことに手間がかかることが予想されます。

 

 

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中規模・大規模建築物を木造で建てるならSE構法もあり

中規模・大規模建築物では、規模ゆえに防火などの規制が厳しく、様々な条件をクリアしなければいけません。

今までは中規模・大規模建築物は鉄筋造が一般的であること、施工業者が限定されることで、木造が敬遠されがちですが、鉄筋造よりも安全性の高い建物、地震の際に倒壊しにくい建物を建てるなら、SE構法も視野に入れるべきかと思います。

 

 

 

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