戸建住宅では「木造」で建てられていることが一般的ですが、園舎など多くの人が利用する建物は中大規模の建建物になり、一般的な鉄筋コンクリート造か、今注目を集めている「木造」かどちらで建てようか考えることでしょう。
耐久性・耐震性はもちろんのこと、安全に過ごせる建物でなければいけません。
また園舎の場合、建築基準法だけでなく学校教育法に基づいた園舎づくりであることも求められます。
今回は、木造と鉄筋コンクリート造との違いに着目し、どちらが子どもたちの成長にあった、安全・安心の園舎を建てるならどちらの造がいいのかお伝えします。
コラムのポイント●木造と鉄筋コンクリート造の違いを、7つの視点で比較しています。
●7つの視点とは、「耐震性能」「耐久性」「耐用年数」「防音性能」「デザイン性」「コスト」「室内環境」です。
●幼稚園設置基準を確認することができます。
●園舎を建てるなら、木造か鉄筋コンクリート造がいいのか比べる指標になるでしょう。
Contents
木造と鉄筋造では、建材が「木材」か「鉄筋コンクリート」かで異なっていることは明白です。
建物を建てる上で大切な「耐震性能」「耐久性」「耐用年数」「防音性能」「デザイン性」「コスト」「室内環境」に関する違いに着目してみましょう。
各視点で違いを見る前に、確認事項として幼稚園設置基準も確認しておきましょう。
園舎は幼稚園設置基準で、遊戯室などの広さが規定されています。
●園舎は原則2階建
●一学級 35人以下
●園舎の面積は、一学級 180㎡、二学級以上 320+100×(学級数-2)㎡
●園庭(運動場)の面積 二学級以下の場合 330+30×(学級数-1)㎡、三学級以上 400+80×(学級数-3)㎡
必要な設備は、職員室・保育室・遊戯室・保健室・便所・飲料水用設備・手洗用設備・足洗用設備です。
また放送聴取設備・映写設備・水遊び場・幼児清浄用設備・給食施設・図書室・会議室を備えるように努力しなければならないと明記されています。
ただし自治体によって、設置基準に違いがある場合もありますので、各自治体の設置基準を確認しましょう。
引用:幼稚園設置基準
地震は突然やってきますが、現在の建築基準法では、震度6・7程度の地震が起きた場合でも倒壊しないことが、建物を建てる場合の最低条件とし規定があります。
だたし、園舎ともなると、耐震等級2・3程度の耐震性能が必要でしょう。
では木造か、鉄筋コンクリート造かで耐震性を考えた場合、鉄筋コンクリート造の方が強いです。
ですが、木造でも耐震等級2・3をみたすことが可能ですので、一概に木造の耐震性能が低いとは言えません。
耐久性=頑丈であることですが、高層ビルが鉄筋コンクリートで建てられる場合が多いため、鉄筋コンクリート造の方が頑丈であると考えるかもしれません。
ですが、引っ張りの強度や曲げの強度から比較すると、「木造」の方が強いのです。
木の引っ張りの強度は、鉄の4倍、コンクリートの225倍あります。
また木の曲げの強度は、鉄の16倍、コンクリートの400倍と圧倒的の強度を誇ります。
また火災の際、躯体の耐力が低下して崩れ落ちることがありますが、「木材」は熱伝導率が低く、表面は燃えても内部まで達しないため、耐力の低下が緩やかです。
一方で鉄筋の場合、熱の伝導率は「木」より高く、表面は燃えにくくても、ポキッと折れて崩れ落ちてしまいます。
参考:森林・林業学習館
一般財団法人 日本木材総合情報センター
耐用年数とは、一般的な使用可能期間のことであり、年間の減価償却を経費にして計算する際に必要なものです。
財務省令に基づく、建物の用途構造別の耐用年数表では、園舎の法定耐用年数は、 鉄筋コンクリートなどで47年、木造で22年となっています。
減価償却費として、耐用年数の期間内であれば毎年計上することができるため、1期間あたりの費用額は減ることになり、その分利益が増えることになります。
経営の面で考えると、長期的にみて鉄筋コンクリート造の方がメリットがあるかもしれません。
一方で同じ建設費用がかかった場合、木造であれば倍額で減価償却費を計上できることになり、20年程度の期間で借入や収支の目途がつくことで経営のお金の試算が立てやすいという考え方もあります。
園舎の場合、近隣住民への配慮を考えると、防音について対策をとっておく必要があります。
音の漏れを比較すると、鉄筋コンクリートの方が少なく、防音性能としては高いといえます。
鉄筋コンクリートの場合、コンクリートを流し込んでつくるため、密度が高くなり、隙間がなくなります。隙間がないということは、空気の振動によって音が漏れること抑えてくれます。
ですが、現在は、木造でも鉄筋コンクリートとほぼ同等の防音性能の高い床が技術開発されてますので、鉄筋コンクリート造の方が優れているとは明言できません。
外観でも内装でも、園舎には、明るい雰囲気と子どもたちが親しみを持てる、遊べるデザインが求められます。
自然の中で生活することによって、五感が育まれ、成長によいとされていますが、都市圏では、難しいことが多いです。
しかし、内装や遊具など「木」を使うことに、「木」の質感が感じられる中で成長することができます。
幼稚園要綱の中でも、遊びを通じて成長できる環境を整えることとされていたり、保護者の方も子どもが健全に育つ環境を求めていたりと、デザインで他園との差別化を図ることにも有益でしょう。
基礎工事、建築材、人件費などの面で、建築費用としてかかるコストは、「木造」の方がコストダウンできる可能性が非常に高いです。
「木造」の場合、基礎工事が鉄筋コンクリート造に比べ、小規模・短期間で完了することができます。
また建築材である「木」を戸建住宅で使用するような一般流通材も利用できる場合があり、調達がしやすいです。
短期間で工事が完了することで、工事にかかる人件費まで抑えることが可能になります。
鉄筋コンクリート造に比べ、「木造」の方が快適な環境を整えることができます。
素材のもつ熱伝導率から考えると、「木造」の方が断熱性能が高く、冬に裸足でもヒヤッとしにくいですし、冷暖房が効率良く稼働し、室内の温度を保ちやすいのです。
また、衝撃を和らげる効果もあり、転倒した際の怪我のリスクを下げることもできます。
その上、紫外線を吸収するため、目に優しい効果も確認されています。
参考:山形県木材産業協同組合
「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」があります。
令和3年10月1日に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」から施行改正されています。
「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」では、対象とする建築物が公共建築物等とされていましたが、令和3年10月1日からは、建築物一般に拡大されています。
脱炭素社会に向けた社会へと進んでいこうとする行政の姿勢として現れているかと思います。
法令遵守という観点からも、「木造」で園舎を建てることを最優先に検討すべきではないでしょうか。
園舎を建てるコスト面だけではなく、やはり子どもたちの成長に対し、よりよい環境を整えることができる点で、鉄筋コンクリート造よりも「木造」の方が優れているといえるでしょう。
ですが園舎は、耐火建築物として建てなければならないなど建物のつくりに対し、制約が多く、「木造」で建てる難しさがあります。
徐々に木造・木質化の園舎が増えつつありますが、やはり実績が多いプロに相談してください。
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