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木造で大スパンを建築|無柱空間を実現する

広々とした空間、無柱空間で、木造の屋根が採用されることが増えています。少し前までは、大スパンの屋根にするためは、木造ではなく、鉄骨造やRC造がほとんどでした。

 

木造の大スパンは、心地よい空間を作り出してくれるため、今後中大規模の建物、園舎・店舗・事務所・公的施設・体育館や集会所といった建物の建築を検討している方には、注目しておくべきことです。

 

 

今回は、そもそも「大スパン」とは何か、木造で「大スパン」をつくるための特別な資材や工法についてまとめました。

 

 

コラムのポイント●「大スパン」とは何か、学ぶことができます。
●「大スパン」と無柱空間の関係性が分かります。
●木造での「大スパン」を可能にする資材・工法についてご紹介しています。
●木造で「大スパン」を取り入れやすい建物が何か分かります。

 

 

 

大スパンと無柱空間

建物を建てる際、守らなければならない法律が多くあり、プロにお任せすることになりますが、プロとの打ち合わせの中で、所々で専門用語が出てしまうと、頭を抱えてしまいます。

 

そもそも、どんな意味があるの?と考えてしまう「スパン」や「大スパン」について知識を確立しておきましょう。

 

 

まずスパンの意味を知る

スパンとは、幅や間隔という意味があり、建築では、建物の梁のように、一定の間隔で隔てられた物体間の距離のことを示します。

 

例えば、柱のない大空間を覆う屋根の構造の周辺にある支持構造物(柱や梁)の最大幅や柱などと直交する方向の幅のことです。

 

 

大スパンを理解する

柱芯間の距離が数十m~100mを超えるスパンであり、大空間を覆う屋根の構造のことです。 数十m単位の場合、鉄骨やRC造の場合です。

 

木造の場合では、10m超えるとたわみや応力などに問題が生じたり特殊な納まりが必要であったりと、大スパンは難しいとされていました。

 

しかし、大断面集成材を採用したり、金具が開発されたり、木造建築の法規制が改正されたりと、木造による大スパンを可能にしています。

 

中規模以上の建物で、大スパンを取り入れている事例が増えています。

 

無柱(むちゅう)空間とは

体育館のように、部屋の内部に柱がない空間のことを指します。

 

体育館や倉庫だけでなく、オフィスやレストランなどで採用すると、見通しの良さがいいことや、ゆったりとした、くつろぎが感じられる開放感な空間になるため、快適性が求められる空間づくりにピッタリです。

 

そして、無柱空間を支える、屋根の構造が大スパン構造だと理解するといいでしょう。

 

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木造での大スパンを可能にしているものとは?

木造での大スパンを可能としているものは、資材・工法です。それぞれどんな資材であり、工法なのか、ご紹介します。

 

 

大断面集成材

再生産可能な木材を利用し、より優れた品質に仕上げられたもので、無垢材の約1.4倍の強度があり、防火性、断熱保湿性、吸音効果もあり、地球に優しい資材です。

 

断面寸法の小さな板材を接着剤などで貼り合わせ大きな断面に加工し造られている木材であり、薄板の材を繊維方向に揃えて貼り合わされています。

 

なお大断面集成材を、パネル化してどっしりとした柱や、梁として使用する工法を大断面工法といいます。

 

 

CLT

Cross Laminated Timberの略称で、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように張り合わせられている木質系材料のことです。JASでは直交集成板と読んでいます。

 

海外ではよく使用されている資材であり、日本では今、徐々に増えている段階であり、注目しておくべき資材でしょう日本CLT協会で公開されている利用例のうち、ローソン 館林木戸町店では、スパン約10mの無柱空間を確保されています。

 

(参考:日本CLT協会 CLT利用例

 

なお、CLTをパネルとして、床、壁、屋.根などに使用して建築物を建てる工法のことをCLTパネル工法といいます。

 

・大断面集成材とCLTの違いは?
CLTは、単板の材を直交(クロス)ベニヤと同じ貼り方で貼り合わされたものです。

集成材とCLTでは、繊維方向かクロス方向に貼り合わされているかで違いがあります。

 

 

木造ラーメン工法

柱と梁からできた構造体の接合部を溶接など一体化させるように接合(剛接合)します。

 

柱と梁だけで建物を構成するため、全方位にスパンいっぱいの開口を設けられ、デザインの自由度が高く、意匠性のある空間設計が可能です。

 

 

木造トラス工法

「トラス」とは3本の部材を三角形に構成し、荷重がかかっても各部材に軸力しか発生せず、曲げモーメントを受けにくい構造形式のことです。

 

直径が14cm未満の小径材を組み合わせて、三角形のフレームを構成することができるため、大規模建築物では使用が難しいとされる一般流通材(住宅用建築資材)を使うことができるため、資材の費用の削減を目標とすることができます。

 

 

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大スパンを取り入れやすい建物は?


「大スパン」という言葉ばかり先行していますが、改めて、木造による「大スパン」を取り入れやすい建物について考えてみましょう。

 

「大」という言葉がありますが、大規模建築物だけではありません。中規模建築物においても「大スパン」は可能です。むしろ今増えているのは、中規模建築物での「大スパン」です。

 

・体育館や競技場
・集会場
・図書館
・店舗や事務所
・幼稚園や保育園の園舎
・宿泊施設

 

上記の建物を建てる場合は、「大スパン」にすることで、建物のデザイン性を出し、世間の注目を集めやすいでしょう。

 

国交省が公表している『木造建築のすすめ』(令和3年改訂版)において実例紹介がされていますので、参考にするとよいでしょう。

 

 

関連記事
・大規模建築物の定義などをまとめています
■大規模建築物とは?定義と木造でつくる大空間を考える

 

 

いずれの建物にしても、不特定多数の人が利用する建物である場合が多く、どんな人でも利用しやすく、心地よい空間となるようにな内装デザインにすることが好ましいです。

 

 

「大スパン」の設計はノウハウが必要

非住宅の建物を建てる際、依頼先は設計事務所になります。しかし、設計事務所といっても、まだまだ”木造”による「大スパン」の施工の実績を積んでいるところは少ないです。

というのも、これまで「大スパン」は鉄骨やRC造ばかりで、”木造”ではつくられてこなかったからです。

”木造”で中大規模建築物の法規制が整い、”木造”が推進されはじめたのは、約10年前からですので仕方がない点はありますが、
設計事務所の施工事例をみて、”木造”の事例が多いかどうか確認してみてください。

 

 

 

 

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