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大規模建築物とは?定義と木造でつくる大空間を考える

施設、オフィスビル、病院、園舎、事務所や店舗など大きな建物を建てる場合、該当する建物が「大規模建築物」なのか「中規模建築物」なのか「小規模建築物」によって、守らなければならない法令が違っていることはご存知でしょうか。

 

また低炭素社会・サステナブルな社会に貢献するには、建物を「木造・木質化」することが求められています。

 

今回は、建築基準法で明記されている大規模建築物とはどんな建物が該当するのか、定義とともに、「木造」で「大規模建築物」を建てる場合のポイントをご紹介します。

 

コラムのポイント●「大規模建築物」の建築物の大きさによる分け方を定義と合わせて知ることができます。
●「大規模建築物」を建築する場合のポイントである、建築基準法上の用途と構造が分かります。
●幼稚園舎と高齢者の入所・通所施設を木造の「大規模建築物」で建てる場合の注意点をまとめています。

 

 

大規模建築物とは

大規模建築物とは、建築基準法第6条1項二号に規定される建築物のことを指します。

高さが60m以下の建築物であり、木造、木造以外(鉄造、RC造、混構造)の構造によって、大規模建築物に該当するかどうか異なります。

 

木造建築物の場合

・高さが13mを超える
・軒高が9mを超える
・階数が3以上
・延べ面積が500㎡を超える

上記いずれかに該当すると「大規模建築物」に該当します。

 

・中規模建築物と小規模建築物は?
中規模建築物は、建物の階数が、2~3階以上であり、戸建て住宅より大きく、大規模建築物より小さい建物のことを指します。
例)高さ13m以下、軒高が9m以下の建物のこと
 
一方、小規模建築物は戸建て住宅と同等程度の大きさの建物のことを指します。
 

 

木造以外の建築物の場合

・階数が2以上
・延べ面積が200㎡を超える

上記2点のいずれかに該当すると「大規模建築物」とみなされます。

 

 

特殊建築物に該当することが多い

床面積の合計が200㎡を超えるものが大規模建築物に該当します。

 

 

・特殊建築物とは?
不特定多数の人が利用し、火災発生の可能性が高く、周囲に及ぼす影響が大きい建築物が該当します。
建築基準法上では、別表第一(い)欄に掲げる用途に該当する建築物と記されています。
 
別表第一(い)欄に掲げる用途とは、ざっくり以下の6つ分けられています。
1:劇場,映画館,演芸場,観覧場,公会堂,集会場
2:病院,診療所(患者の収容施設のあるもの),ホテル,旅館,下宿,共同住宅,寄宿舎
3:学校,体育館
4:百貨店,マーケット,展示場,キャバレー,カフェー,ナイトクラブ,バー,ダンスホール,遊技場
5:倉庫
6:自動車車庫,自動車修理工場

引用:建築基準法

 

なお、特殊建築物の概念、不特定多数の人が利用する建築物の中で、事務所は含まれません。

特殊建築物かどうかの線引きは、曖昧な部分もありますので、建築物を建てようとする自治体に確認することが大切です。

 

 

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・特定建築物・特殊建築物について解説しています
■特定建築物として注意|特殊建築物との違いは

 

 

建築確認が必要な建物

大規模建築物は、建築主事の確認を受け、確認済証の交付がなされないと工事に着手することができません。

 

・建築主事とは?
「建築確認」「完了検査」などを担当する都道府県または市町村の職員のことです。

 

 

耐火建築物か準耐火建築物でなければならない

大規模建築物は、火災が起きてしまった場合、甚大な被害が起こる可能性が高い建物です。

建物の主要構造部を燃えにくい設計、耐火構造や準耐火構造にしなければなりません。

 

・主要構造部とは?
壁、柱、床、はり、屋根、階段のことで、防火や安全、衛生上重要な建物の部位を指します。

 

ほんの数年前までは、主要構造部は耐火構造にしなければならなかったのでですが、法改正により規制が緩和され、準耐火構造でも認められる場合があります。

 

 

関連記事
木造で耐火建築物を建てる場合の判断基準について解説しています
■木造建築で耐火建築物を建てる

 

 

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大規模建築物の建物用途別防火仕様の注意点

高さが13m超、軒高9m超、もしくは、延べ面積3,000㎡超の木造建築物は「大規模建築物」であり、主要構造部が耐火構造でなければいけません。

 

しかし、一部の建築物では主要構造部が準耐火構造でも認められ、木造で建築することができます。

 

 

幼稚園舎

学校教育法の幼稚園設置基準によって、基本的に園舎は2階建て以下を原則であり、保育室、遊戯室および園児の便所は1階に設けなければならない決まりがあります。

 

しかし、耐火建築物であれば、保育室など2階に設けることができます。

 

また3,000㎡以上の面積であれば、必ず耐火建築物にしなければなりませんが、3,000㎡以下であれば、準耐火建築物でも認められることがあります。

 

例えば、保育室などを1階に設け、なおかつ面積が2,000㎡以下であれば準耐火建築物として木造で建てることができます。

 

ただし、幼稚園を防火地域・準防火地域に建てる場合は、上記のルールとは異なりますので、注意しましょう。

 

POINT
園舎は、地階や無窓居室および その避難経路、火気使用室でなければ内装制限がありません。
 
体育館など大スパンを木造でつくったり、その他園舎の内装を木造にすることで、子どもたちにとって、木のぬくもりを感じる温かな空間で教育を受け、健やかな成長を促すことができるでしょう。
 

 

 

高齢者の入所・通所施設

有料老人ホームをはじめ高齢者が入所する施設(建物)は、耐火建築物もしくは準耐火建築物にしなければなりません。

 

しかし、用途上老人ホームに該当しないサービス付き高齢者住宅においては、共同住宅か寄宿舎に該当します。

 

共同住宅であれば、大規模建築物で4階以上であれば耐火建築物でなければいけませんが、3階建ておよび2階建てで共同住宅として使用する面積が300㎡以上の場合、準耐火建築物で、建てることができます。

 

また、2階建てでも面積が300㎡以下の場合や、平屋であれば、準耐火建築物もしくは30分の加熱に耐えられる防火装置でも木造で建てることができます。

 

 

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木造の大空間をつくろう


「大規模建築物」に該当する建物の中で、木造のよさを感じられる大空間を積極的に取り入れましょう。
現在では、学校の体育館をはじめ、スポーツの競技場や店舗などで採用されることが増えています。

木造は、低炭素社会・サステナブルな社会の要であるだけでなく、人に対しては、親しみが感じられる、リフレッシュ・リラックスできる、目にやさしい、風邪を引きにくい、怪我をしにくいなど、いいことづくめです。

社会的に木造が増えているから、ではなく、人を健康的にするなどよさをアピールする考えで、建物を木造にすることを検討してください。

 

まとめ

木造の大規模建築物は、3階以上を有し、高さ13m以上もしくは軒高9m以上が定義上、該当します。

 

社会情勢から、今後大規模建築物が木造で建てられることが増えてきます。

 

また内装など木造にすることで、木の温かみが感じられるなどメリットが多くありますので、一つの知識として頭に入れておくとよいでしょう。

 

 

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