BLOGブログ

福祉用具貸与サービス|介護保険の利用と開業

介護のことを考えると、施設に通う、入所する、スタッフに訪問してもらうといった介護ケアを検討することが多いでしょう。しかし、盲点となりやすいことは、介護保険を利用し、車椅子やベッドなどレンタルできることです。

今回は、車椅子などをレンタルできる福祉用具貸与事業の内容についてご紹介します。何がレンタルできるのか、また開業を目指すにあたり、開業要件やポイントをまとめました。

コラムのポイント●福祉用具貸与サービスの概要、利用者、貸与対象品が分かります。
●福祉用具貸与サービスを開業するための要件、ポイントをまとめています。

 

福祉用具貸与サービスとは

福祉用具貸与サービスとは、自宅で日常生活が送れるように、車椅子など適切な福祉用具を貸与することです。介護保険を利用し、対象品を月額でレンタルすることができます。

福祉用具貸与サービスを利用できる方は、要介護認定を受けた方となっています。

 

なお厚労省では「福祉用具貸与」について、以下の定義を示しています。

祉用具貸与は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、指定を受けた事業者が、利用者の心身の状況、希望及びその生活環境等をふまえ、適切な福祉用具を選ぶための援助・取り付け・調整などを行い、福祉用具を貸与します。

福祉用具を利用することで日常生活上の便宜を図り、家族の介護の負担軽減などを目的とする

(引用:厚労省 介護サービス情報公表システム

 

レンタル対象品は13種類

●特殊寝台(電動ベッド)
●特殊寝台付属品
●床ずれ防止用具
●体位変換器(空気パッド等を使って、仰向けからうつ伏せへの体位の変換を容易にできるもの)
●手すり(取り付け工事不要のもの、トイレ内で囲んで据え置くタイプのもの)
●スロープ
●車いす(自走用標準型車いす、普通型電動車いす、介護用標準型車いす)
●車いす付属品(クッションまたはパッド、電動補助用品、テーブル、ブレーキ)
●歩行器
●歩行補助杖
●移動用リフト(つり具の部分を除く)
●徘徊感知機器
●自動排泄処理装置

ただし、要介護度によって、レンタルできる対象品が異なりますので、注意しましょう。

例えば、要支援1・2、要介護1の方は、「車いす」「車いす付属品」「特殊寝台」「特殊寝台付属品」「床ずれ防止用具」「体位変換器」「認知症老人徘徊感知器」「移動用リフト」「自動排泄処理装置」は原則、レンタルできません。

また、自動排泄処理装置は、要介護4・5の方が原則レンタルできることになっています。

 

貸与対象品の中で、限定されているものや、名前だけではイメージしにくいものをピックアップして、具体的にどんなものなのか見ておきましょう。

 

特殊寝台

電動ベッドのことですが、サイドレールが取り付けてあるもの、または取り付け可能なタイプのことです。

また、背部または脚部の傾斜角度が調整できる機能もしくは、床板の高さが無段階に調整できる機能を有しているものに限られます。

 

特殊寝台付属品

電動ベッドの付属品にあたるものが対象です。

サイドレール、マットレス、ベッド用手すり、電動ベッド用テーブル、スライディングボード・マット、介助用ベルトがあります。

スライディングボードとは、座ったまま、もしくは寝たままの姿勢で移動できる移乗ボードのことです。高齢者が体位を変える必要がないメリットもありますが、介助者の負担も軽減できるメリットもあります。

 

床ずれ防止用具

送風装置または空気マット等(部分的な圧力を解消できるもの)、水、エア、ゲル、シリコン、ウレタン等からなる全身用マットのことです。

ベッドや車いすの上で、長く同じ姿勢を続けると体の特定の部分に圧力がかかり、血流が悪くなって床ずれが起こりやすくなります。
床ずれ防止用具を使うことで、体圧を分散させることができ、体位変換を行わなければならない回数を減らすこともできます。

 

スロープ

個別利用者のために改造したもの、簡単に持ち運びができないもの、また工事をしなければつけられないものは含まれません。

電車の乗り降りやバスの昇降時に使われる、持ち運び可能なスロープをイメージするといいでしょう。

 

歩行器

歩行が困難な者の歩行機能を補う機能を有し、移動時に体重を支える構造でなければなりません。歩行器には車輪があるタイプと四脚のタイプがあります。

車輪があるタイプ:体の前および左右を囲む把手等を有するもの
四脚のタイプ  :上肢で保持して移動させることが可能なもの

 

移動用リフト

床走行式・固定式・据置式の3つのタイプがあります。いずれも利用者が座ったまま段差を越えたり、移動したりすることができます。他の福祉用具に比べ、比較的大きなサイズになりますので、置き場所・使う場所を考えて設置する必要があります。

またリフトといっても、座椅子型もありますので、チェックしておくことが肝心です。

 

徘徊感知機器

特定の場所に設置することで、設置場所を通過した時に、センサーにより感知し、家族、隣人等へ通報してくれます。

 

 

施工事例をみる

 

販売している福祉用具もある

福祉用具貸与事業の中には、「特定福祉用具」として販売を行なっている福祉用具もあります。

●腰掛便座
●自動排泄処理装置の交換可能部
●入浴補助用具(入浴用いす、 浴槽用手すり、浴槽内いす、 入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴用介助ベルト)
●簡易浴槽
●移動用リフトのつり具の部分

いずれも、衛生面で気になる物品であったり、他の方が使ったものを再利用するにはに心理的抵抗感が伴うものですので、販売物品としては妥当なものでしょう。

 

介護予防福祉用具貸与も知っておこう

レンタルができる対象品は、すでにご紹介している「福祉用具貸与の13種類」と同じです。

異なる点は、レンタルできる対象の方が、要支援1または要支援2の認定を受けた方です。

 

・介護予防とは?
介護予防とは、高齢者が要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止を目的と して行うものです。単に高齢者の運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけ意識するのではなく、日常生活でできる活動を増やし、家庭や社会への参加をも促しながら、一人ひとりの生きがいや自己実現のための取組みを支援し、QOLの向上を目指すためのものです。介護予防の対象となる方は、要介護ではなく、「要支援」の方になります。

(参考:厚労省 これからの介護予防 に関する資料

 

福祉用具貸与事業の開業要件

つるみ脳神経外科開業に関するに要件は他の介護関連事業と同様に、人員・設備・運営基準があります。基準を満たさなければ自治体の指定を受けることができません。

ですが、開業要件は他の介護関連事業の中では緩い要件となっています。

 

人員基準

■管理者 1名(専従かつ常勤)
■福祉用具専門相談員(常勤換算で2名以上)

 

設備基準

■事務室(職員、設備備品を配置できる広さがあること)
■相談室(利用者や家族のプライバシーに配慮されていること)
■保管のための設備や機材
■消毒のための設備や機材(消毒・補修が完了している福祉用具とそれ以外の福祉用具を区分できること)

 

誰でも自由に出入りができるわけではありませんが、レンタルするものを目視確認したり試したりできる広さが必要でしょう。

 

運営基準

企業として満たすべき内容ばかりですが、特に注意すべきことのみを今回はご紹介します。

■法人格であること
■多くの福祉用具を取り扱うこと
■利用者の希望・状況等に応じた適切な福祉用具の提供
■福祉用具の説明・点検・調整・修理等
■適切な消毒・保管(委託可能)を行うこと

その他、細かな規定もあり、自治体によって満たすべき内容が異なっていることがあります。そのため各自治体の担当者に、きちんと確認を取りながら開業に向けて準備を行なってください。

施工事例をみる

 

ケアマネと福祉用具専門相談員について

福祉貸与事業において、開業の人員要件となっている福祉用具専門相談員はもとより、ケアマネジャーとの連携は不可欠です。役割についてしっかり理解しておきましょう。

 

福祉用具専門相談員

貸与事業所・販売事業所で従事する相談員ですが、福祉用具に関する知識はもちろんのこと、利用者にとって相応しい福祉用具を提案できるかどうか、事業所の世間の評価を左右する人でもあります。

なお、福祉用具専門相談員となれるのは、「保健師」・ 「看護師」 ・「准看護師」・「理学療法士」・「作業療法士」・ 「社会福祉士」・「介護福祉士」・「義肢装具士」・「都道府県知事が指定する福祉用具専門相談員指定講習事業者が行う講習の修了者」です。

福祉用具専門相談員は、用具を提案する際は、独断ではなく、利用者の状態に応じて、医師、看護師、理学療法士などのアドバイスも受けながら、適切な用具を選ばなければなりません。

 

ケアマネジャー

介護に関わる人にとって、切り離すことができない人です。地域包括支援センター、介護保険課から紹介してもらい、利用者の担当者として、介護のプランを立てたりします。

福祉用具をレンタルしたいと希望をしても、介護保険を利用しながらレンタルするには、ケアマネージャーと相談しなければなりません。

 

双方の連携が大事

福祉用具貸与事業は、福祉用具を多く取り揃えることが大切ですが、福祉用具専門相談員・ケアマネージャーなくしては成り立ちません。スタッフが働きやすい環境を整えることも忘れないようにしましょう。

 

まとめ

福祉用具貸与事業は、今は認知度としては低めかもしれませんが、在宅介護が増えてきていますし、ニーズはありますので、安定した経営を見込める事業と考えられます。

事業を開業するにあたり、要件を満たすことで頭がいっぱいになってしまいますが、用具の見せ方、一度試せる場所を確保している、スタッフの動線がいいことなど、事業所の建物のつくりで工夫できることが多くあります。設計事務所にも、早期の段階で開業の相談をぜひしてください。

こちらにお電話をおかけください。

03-5284-7106

×
MENU