BLOGブログ

介護老人保健施設とは?わかりやすく紹介

介護老人保健施設は、2017年の介護保険法の改正時に創設された施設です。ネーミングが非常に固いため、どんなサービスが提供されるのか分かりづらいですね。介護老人保健施設とは、どんな施設なのか、開業するための基準は何か、介護老人保健施設の特有のサービスについてご紹介します。

コラムのポイント●介護老人保健施設とは、公的な介護保険施設4施設のうちの一つに該当します。
●介護老人保健施設は、在宅復帰を目指す方のため入所施設であり、リハビリに力を入れています。
●介護老人保健施設として開業するなら、何を目指すべきか分かります。

介護老人保健施設とは


介護老人保健施設施設とは、どんな施設なのか、まずは定義を見てみましょう。

介護老人保健施設とは、要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設。

(引用:介護保険法 第8条第28項)

つまり、介護老人保健施設において大切なことは、以下の4つです。

●在宅復帰ができるようにする、在宅療養支援を提供すること
●医師がいる施設であり、医学的ケアが行われること
●リハビリが行われること
●生活施設の要素も含まれていること

開業を目指すのであれば、設備基準など様々な要件がありますが、根底にはこの4つがあることを念頭に置いておきましょう。

 

概要

2017年介護保険法の改正され、第8条のように新しい定義が生まれました。この改正で介護老人保健施設が創設され、従来介護保険施設が3施設であったのに対し、4施設に変わりました。

介護老人保健施設が創設された背景には、生活場所として施設か自宅かという二択しかなかったのです。
しかし、長期入院した後、在宅に戻る場合、医師・看護師がいない環境下で生活できるのか、ご本人もご家族も不安に思います。そのため、在宅復帰を目指すような施設のあり方が求められていました。

 

□介護保険施設はどんな施設?
介護保険サービスが毎月、定額制で利用できる施設のことで、4施設が該当します。
介護老人保険施設のほか、介護医療院・介護医療病床・介護老人福祉施設です。

 

役割

在宅支援施設であることです。
入所施設ですが、短期間(約3ヶ月以内)の入所可能な施設です。在宅復帰に向けた病院と自宅までの橋渡しの役割です。

利用者が在宅に戻った場合でも、できる限り自立した生活ができるように、リハビリを充実させ、居宅サービスマネージャーとの情報共有をします。

 

5つの区分がある

2017年の介護保険法の改正以前は3タイプでした。現在では5つの区分に分かれています。

□超強化型
□在宅強化型(強化型)
□加算型
□基本型
□その他

厚生労働省が定める評価要件を満たしている度合いによって、各施設がどのタイプに属するか決まります。
介護老人保健施設の中で、「超強化型」「在宅強化型」のみ、「超強化型介護老人保健施設」といったように名乗ることができます。

 

5つの区分の評価方法

「超強化型」などの区分には、施設内で、入所者に対してどんなサービスが提供できているのか、5つの評価項目が用いられます。

●在宅復帰・在宅療養支援等指標(10個の評価項目があり、点数にして評価されます)
●退所時指導
●リハビリテーションマネジメント
●地域貢献活動
●充実したリハビリ

特に、在宅復帰・在宅療養支援等指標の点数によって、区分けが左右されるといってもいいでしょう。

 

在宅復帰・在宅療養支援等指標

10個の項目が設定されており、介護老人保健施設の役割であり在宅支援施設として、運営できているかを最高点90点として評価されます。

□在宅復帰・在宅療養支援等指標の10項目
①在宅復帰率
②ベッド回転率
③入所前後訪問指導割合
④退所前後訪問指導割合
⑤居宅サービスの実施数
⑥リハ専門職の配置割合
⑦支援相談員の配置割合
⑧要介護4又は5の割合
⑨喀痰吸引の実施割合
⑩経管栄養の実施割合

 

「超強化型」は70点以上、「在宅強化型」は60点以上、「加算型」は40点以上、「基本型」は20点以上、「その他」は要件を満たしていない」と評価されます。

(参考:社保審-介護給付費分科会 介護老人保健施設  資料2

 

居宅サービスの実施がカギ

介護老人保健施設では、居宅サービスが実施されていることが基本です。先ほどご紹介した在宅復帰・在宅療養支援等指標の項目に入っているからです。

3種類以上の居宅サービスが実施されている「超強化型」施設は、「超強化型」施設の中で、約半数に上っています。

 

□居宅サービスとは?

自宅で生活する人を対象とした介護保険の介護サービス全般のことです。訪問介護をはじめとした訪問系サービス、通所介護系、短期入所系、福祉用具貸与もあります。

 

施設で働く人

医師、看護職員、介護職員、リハビリ職員、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士、ケアマネ、支援相談員です。
チームとして介護サービスを提供します。(多職種協働といいます。)

 

チームとして介護サービスを提供する場合、主にリハビリにおいて、強みを発揮します。
入所時にリハビリを含めたサービスを提供するためにカンファレンスが実施されます。

入所し始めたら、多職種が共同してサービスを提供します。適宜リハビリなどのサービスが入居者にとって、適切なものであるのか、モニタリングし、カンファレンスが実施されます。

さらに、その情報を医師や介護支援専門員や地域のサービス提供者に情報提供することで、施設を退所したのちも、通所・訪問サービスを利用しながらスムーズに在宅復帰ができるようにサポートします。

(参考:社保審-介護給付費分科会 介護老人保険施設参考資料

 

利用者

65歳以上の要介護1以上の方です。ですが、要介護の度合いが大きい方が優先的になっている現状です。しかし他の介護保険施設に比べ、介護老人保健施設では、人の回転が速いため、入所しやすいです。

なぜ、人の回転が速いかというと、利用者の入所期間が3ヶ月程度と短いからです。
介護老人保健施設は、ベッドの回転率も評価項目にもあるため、1ヶ月程度のサイクルの施設もあります。

 

施工事例をみる

 

介護老人保健施設の設備・人員基準について

介護老人保健施設で提供されるサービスにふさわしいと考えられる基準が設けられています。

 

設備基準

■耐火建築物もしくは準耐火建築物
■廊下幅(1.8m以上、中廊下の場合は2.7m以上)
■療養室(定員4名以下、かつ一人当たり8㎡以上)
■機能訓練室(1㎡×入所定員数以上)
■食堂(2㎡×入所定員数以上)
■浴室(体の不自由な人が入浴するものに適したもの)

 

関連記事
・耐火建築物について詳しく知りたい方はコチラもお読みください
木造建築で耐火建築物を建てる

 

人員基準

冒頭で、どんな人が働いているのかご紹介しましたが、施設の利用者の数に適したスタッフが必要です。十分なスタッフがいないと、利用者にとって、満足のいくサービスが提供できないからです。

■管理者
■医師(常勤1名以上、利用者100名に対し1名)
■薬剤師(300名に1名を標準とした、実情に応じた適当数)
■看護・介護職員(3名に対し1名、総数の7分の2は看護師であること)
■支援相談員(1名以上で、100名に対し1名)
■理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(100名に対し1名)
■栄養士(入所定員が100名以上の場合、1名以上)
■介護支援専門員(100名に対し1名を標準とし、1名以上)
■調理員・事務員・その他従業者(実情に応じた適当数)

 

施工事例をみる

 

事業者として最大限のサービス提供を

介護老人保健施設は、在宅療養が増えていく日本社会において、重要な役割を果たす施設です。今後も増加していくことが予想されますが、設備基準など開業での要件はもとより、「超強化型」「在宅強化型」施設になるかで、健全な運営ができるかが左右されることになるでしょう。
しかし、一部の施設では、「超強化型」などの評価をえるために、入所者を早期に退所させることもあり、問題視されています。

評価を満たすことばかりにとらわれることなく、入所者ファーストの視点で、よりよいサービスが提供できるようなスタッフの確保や建物設備で充実させるようにしましょう。
スタッフにも入所者にも利便性が高く、心地よい空間である施設づくりを目指してください。施設づくりにおいては、設計事務所に相談しましょう。

 

 

こちらにお電話をおかけください。

03-5284-7106

×
MENU