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介護医療院とは|新規開業の注意点

介護医療院は、2017年4月から創設された、新しい介護保険施設です。公的施設であるため、利用者のニーズも高いです。しかし、新しいからこそ分からない部分が多くあるかと思います。

今回は、介護医療院とはどんな施設なのかを理解し、利用対象者は誰になるのか、開業を目指すなら知っておくべき設備・構造基準、および人員基準を合わせてご紹介します。

コラムのポイント●介護医療院の役割・サービス内容が分かります。
●介護医療院の設備・構造・人員基準を分かりやすく知ることができます。
●介護医療院の現状と新規開業に関することが分かります。

 

 

介護医療院とは

介護医療院とは、2017年の介護保険法の改正により創設された、高齢者の介護施設です。
2025年に団魂世代が75歳となり、75歳以上の人口全人口の約18%となり、まさに超高齢化社会に入ります。
超高齢化社会と在宅医療、地域密着型介護サービスを支えるために重要な施設であることを知っておきましょう。

 

介護医療院の概要と役割

■医療ケアが必要な要介護の方のための長期療養施設
■生活施設

介護が必要な方は、非常に多くいます。要介護度によって、入所できる公的・民間施設がありますが、各施設で提供できるサービスには限界があったり、施設数が不足しているため、需要と供給が見合っていない状態です。

これまでの高齢者対象の福祉施設では、長期に渡る療養(日常的な医療管理)が必要な方が、利用できる施設として療養病床がありましたが、現在廃止となり、多くの医療病床から『介護医療院』へと転換しています。

『介護医療院』は、療養病床の役割を担いつつ、個人の日常生活も考えられた、「住まいと生活を医療が支える新たなモデル」としての役割を果たします。

 

 

介護医療院は3種類ある

■Ⅰ型
■Ⅱ型
■医療外付け型

 

それぞれのタイプの利用者と合わせてご紹介します。

 

Ⅰ型

3種類の中で、最も医療ケアが手厚いタイプです。だからこそ、比較的重度の要介護者が利用することができます。

利用者の症状は、重篤な身体疾患を有する者および身体合併症を有する認知症であることが多いです。

また、Ⅰ型でも「A型」と「B型」があり、 「A型」の方が、医療措置やターミナルケアを受けている方が多いです。

 

□ターミナルケアとは?
終末期における医療的、介護的ケアのことです。医療法では、「人生に最終段階における医療」と明記されています。
ホスピスや看取り、緩和ケアなどがあり、最期の時を苦痛やストレスなく過ごし、QOL(クオリティオブライフ=自分らしい生活の質)を保った生活を送ることを目的としています。

(参考:医療法 終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインの改訂

 

Ⅱ型

I型に比べ、比較的容態が安定している方が多く、在宅に切り替えられるように、リハビリを行いサポートを行います。
そのため、設備・人員基準は老健相当と定められています。なおI型の設備・人員基準は、介護療養型医療施設相当です。

 

医療外付け型

利用者は、 Ⅱ型と同様に、容態が比較的安定している方です。I型・ Ⅱ型に比べて大きな違いは、居住(生活)スペースと医療ケアを受ける場所(医療機関)が異なることです。居住スペースにおけるサービスは、介護保険法や老人福祉法が適用されるのに対し、医療機関の部分は、医療法が適用されます。

 

介護医療院のサービス内容

Ⅰ型・Ⅱ型・医療外付け型と医療ケアサービスと介護サービス、生活サポートサービスが提供されます。各サービスの度合いが異なっているだけです。

 

医療ケア

他のどんな高齢者施設に比べて、充実した医療ケアが提供されます。痰の吸引や点滴をはじめ、看取り、薬の投与や検査も、病院で入院しているのと変わらないケアが行われます。

 

介護サービス

入浴・排せつ、食事などの生活介助、健康管理、リハビリなどがサービスとして提供されます。

 

生活サポート

生活サポートでは、掃除や洗濯など日常生活を送る際の個人に合わせたサポートがあります。また地域交流でのサポートもあり、孤立化を防ぎ、少しでも自立した生活を送れるようになります。

 

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介護医療院の設備・人員基準

開業にあたり、定められた基準を満たさなければなりません。また利用者にとっても、どれだけのケアサービスを受けることができ、どんな場所で生活することができるのか、気になる部分です。

 

設備基準

□療養室(定員4名以下、かつ一人当たり8㎡以上、ナースコールを設置)

□診察室(医師が診察を行う施設であり、血液や尿など臨床検査が行えること、調剤を行えること)

□処置室(処置が適切に行われる広さがあること、また診察室との兼用は可能)

□機能訓練室(内法で40㎡以上あり、必要な器械・器具を備える)

□談話室(利用者や利用者の家族が談話を楽しめる広さであること)

□食堂(内法で一人当たり1㎡以上の面積があること)

□浴室(身体が不自由な方が入浴するのに適したものであり、一般浴槽および介助ができる特別浴槽を設置)

□レクリエーション・ルーム(レクレーションを行うために十分な広さであること)

□洗面所・便所(身体が不自由な方が利用するのに適したものであること)

□サービス・ステーション・調理室・洗濯室又は洗濯場・汚物処理室(設備は必要だが広さなど詳細規定なし)

 

構造基準

□耐火建築物であること(二階建てもしくは平屋であれば、準耐火建築物でも可)

□療養室が2階もしくは地階に設置する場合、円滑かつ迅速な避難ができること

なお、2階以上に設置する場合は、屋内の直通階段及びエレベーターを1以上設置
3階以上の階に設置する場合、避難に支障がないように避難階段を2以上設置

□診察用のX線など電気・光線・熱・蒸気・ガスに関する設備は、医療法に従い設置すること

□階段には手すりを設置すること

□廊下(幅1.8m以上とし、中廊下の場合は2.7m以上とする。手すり及び常夜灯も設置)

□消防設備(スプリンクラーの設置や天井等の内装材は難燃性のもの、防火区画設置など)

□非常警報設備の設置

なお、、都道府県知事が専門家の意見を聞き、木造かつ平屋で火災時に利用者の安全性が確保されていると認められれば、耐火建築物もしくは準耐火建築物でなくてもよいとされています。

(参考:介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準

 

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■木造建築で耐火建築物を建てる

 

人員基準

介護医療院Ⅰ型とⅡ型で異なります。I型の方が手厚い人員(スタッフ)配置が定められています。

人員(スタッフ) I型 Ⅱ型
医師 48名ごとに1名 100名ごとに1名
医師の当直 あり なし
看護職員 6名ごとに1名 6名ごとに1名
介護職員 5名ごとに1名 6名ごとに1名
リハビリ専門職 必要数 必要数
介護支援専門員 100名ごとに1名 100名ごとに1名
薬剤師 150名ごとに1名 300名ごとに1名
栄養士 100名ごとに1名 100名ごとに1名
放射線技師 必要数 必要数
調理・事務スタッフなど 必要数 必要数

 

ただし、ユニット型介護医療院においては別途規定があるため、確認してください。

 

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■ユニット型介護施設について

 

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介護医療院の開業に向けて

介護医療院は、介護保険施設の一つであり、公的機関が運営するため、民間では参入できないのが現状です。
また、元医療病床からの転換が主だっており、新規参入を検討している場合は、なかなか許可がおりない可能性が高いです。

しかし、しっかりとした医療ケアサービスができる施設のニーズは非常に高く、供給側も応えなければいけませんので、「地域密着型」の施設であれば、開業への道が開ける可能性が高いです。
だからこそ、設備基準などを予め知っておき、来るべきときに備えてください。

その他介護関連施設での開業を目指している方は、すぐに設計事務所にご相談ください。

 

 

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