知的障害者施設の防犯対策を考えた建て方

高齢者向け福祉施設など多くの福祉施設がありますが、ニーズがあるにも関わらず、数で対応できていないのが、『知的障害者施設』です。知的障害者の方は、自立しているところが多いですが、施設づくり、間取りなど注意すべき点が多々あります。

今回は、『知的障害者施設』の防犯に焦点をあて、どんな施設が相応しいのか考えていきます。


コラムのポイント●施設を建てる際は、利用者の特性を理解し、特性にあった施設づくりを行わなければいけません。

●知的障害者の特性は、一つのことにもくもくと集中できる力はありますが、いつもと違うことが起こるとパニックになりやすかったり、攻撃的になることもあります。

●知的障害者は施設から逃亡する場合もあるため、施設での防犯対策は、外部からの侵入と中からの逃亡防止を考慮する必要があります。

●知的障害者施設の主な防犯対策は、建物や設備によるハード面と地域連携などソフト面で行うことを考えます。

 

実例紹介

知的障害者の特性を理解する

ふれ愛の森 グループホーム

施設を建てる上で、建築基準法などの法令に遵守しながら、利用者視点で設計・デザインを行うことで、施設の利便性・快適性をつくりだしていきます。

施設の場合、利用者は、介護を必要とする方、自立はしているけれどサポートが必要な方というように、何かしらのケアを求めています。どんなケア・サービスを求めているのか、どんなサービスを提供するのか施設ごとに違いが生まれます。

利用者の特性を理解することが、大切になります。

 

知的障害とは

知的障害施設の利用者の方について考えましょう。

知的障害とは、論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、学校や経験での学習のように全般的な精神機能の支障によって特徴づけられる発達障害の一つです。(引用;厚生労働省|e-ヘルスネット)

医学的には、症状の状態により、軽度、中等度、重度、最重度の4つに分類されますが、福祉の観点からは、症状の程度ではなく、個別に必要なケアを判断することになります。

同じ軽度の症状であっても、必要なケアは異なるためです。

 

知的障害者の特性

相対的に多くの方は、一つのことにもくもくと続けられる集中力があります。一方で、他者との関わりが苦手であったり、普段と違うことが生じた場合、パニックになりやすいと考えられます。

パニックになった際には、奇声をあげる、走り出す、殴る、蹴るなどの行動を起こしやすいです。

また一つ一つのことを理解するのには時間がかかります、理解し、自立する、社会の中で働くこともできます。

知的障害者へのケア・サポート方法

集中力をきらさないために
個人のペースをこわなさいようにすることです。

テーブル上での作業には、壁に向かうのように座らせたり、テーブルに囲いをつけ、周りに影響されない環境をつくります。

物事の伝え方
ゆっくりと簡潔に話します。
また、話すだけではなく、絵や表示など(視覚的な道具)を併用することで、理解しやすいようにします。

スケージュールは極力毎日同じにする
何時に〇〇をするというように、1から10まで毎日同じにすることで、平常心で過ごせるようにします。「いつもと同じ」にすることがパニックを起こしにくくします。

待ち時間やイレギュラー時対応方法も伝えておく
車やバスなど待ち時間がありますが、いつも通り、◯時までは待てるのですが、渋滞などの影響で遅延が発生することもあります。
いつもより待ち時間が長くなった場合の過ごし方についても、予め伝えておくことが大切です。

実例紹介

 

知的障害者施設の防犯を考える

壬生町アパートメント

現代社会では、どんな施設であっても防犯にも力を入れなければなりません。

しかし、施設では防犯面をしっかりさせると同時に、地域貢献・地域交流も視野に入れた施設であることが求められるため、矛盾が生じます。

つまり、施設を建てる際には、不審者が侵入しないように対策しながら、施設の開放的にしなければならないのです。施設のデザイン・建築の工夫が求められ、ハードルが高くなっています

 

 

知的障害者施設における防犯対策の難しさ

知的障害者施設と、有料老人ホームなどの介護を必要とする高齢者施設との大きな違いは、利用者自身が動けることです。

避難の必要があった場合、利用者自身が動いて避難できる点は大きいです。しかし、知的障害者の場合、施設から脱走することも想定しなければなりません。

脱走時の心理状態は、パニックの度合いが非常に大きく、予想外の行動に出る可能性が非常に大きくなります。

時には他者に対し、攻撃的になることも予想されます。

だからこそ、知的障害者施設では、利用者が脱走しない工夫も求められます。

では、次にどんな工夫をし、防犯対策を行っていくのか考えていきましょう。
(※参考資料:地域に開かれた社会福祉施設等の防犯・安全確保に関するハンドブック)

 

防犯対策1:施錠

ICで管理することが望ましいと考えますが、夜間に限定するとよいでしょう。あまりにもガチガチに閉鎖してしまうと、地域交流の観点からすると、相応しいとはいえないためです。

来訪者がある場合、時間を限定したり、必ずスタッフが入り口にたったり、一般の住宅のように、インターフォンを押してから入るようにしましょう。

 

防犯対策2:防犯設備の設置

防犯設備で有効なものは防犯カメラや警報ブザー、敷地内LEDライトで照らします。

いずれも1箇所ではなく、複数の場所に設置しましょう。ただし、設置したからといって安心しきってはいけません。
有事の際の使い方や、連絡系統の確認、避難訓練など普段からしておく必要があります。

また、警報ブザーの取り付け位置には特に注意が必要です。

警報ブザーは通常室内に取り付けられますが、知的障害者施設では、利用者が触ってしまう可能性が非常に高いため、取り付けることそのものが厳しい場合があります。

 

防犯対策3:外壁・外構の工夫

敷地と外部の境目をつくるフェンスや塀は、特にデザイン性が求められます。さらに施設から外に出ようとすることも踏まえ、細かな工夫が必要です。

フェンスは、高さだけでなく形状によって登れる可能性があるため、足元付近に引っかかり部分がないようにすること、塀のような板状にすると、外からも中からも閉鎖的になってしまうため、柔らかな雰囲気の縦格子の木の柵にしてみるのも一つだと思います。

塀にする場合は、中から外にでる可能性を低くするために、有効ですが、フェンスよりも閉鎖的になってしまいます。

だからこそ、植樹を行い、雰囲気を柔らかくする方法を採用している施設もありますが、樹木の高さや距離を調整し、樹木を使って外に出れない、中に入れないようにする必要があります。

 

防犯対策4:地域連携

建物のデザインや防犯設備などハード面で、防犯対策を行うことに加え、地域との連携するソフト面でも防犯対策を行いましょう。

施設の存在をまず知ってもらうことから始まります。その上で、地域や各種関係機関と不審者情報の共有と常日頃から行っておきます。

 

実例紹介

 

まとめ*知的障害者施設を建てる

以前は、地域と離れて施設が建てられていました。しかし、SDGsの目標の一つにもあるように、孤立化させないことが重要視されるようになり、積極的に地域の中で暮らしていく施設が増えています。

もちろん、社会福祉施設全般にもいえることですが、特に知的障害者施設は「出ない建物、入れない建物」にする必要があります。

また地域貢献・地域交流もできる施設にするには、建物のデザイン性も重要になることも忘れずに、取り組みましょう。

 


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