強度行動障害の方の住まいの考え方

障害の一つである「強度行動障害」は、自他に危害を加えるために配慮しなければならないことが多いです。まずは「強度行動障害」がどんな障害を明確にし、必要なケア方法を探っていきます。
これから「強度行動障害」の方の施設を検討している方にとって、建物として必要な対策方法を重点的にお伝えしていますので、ぜひ一読してください。

強度行動障害とは

 

知的障害や自閉症、統合失調症のような精神科的な診断ではなく、他人に噛み付いたりする行為や自傷行為など、通常考えられない頻度と形式で出現している状態を指します。(引用:厚生労働省発刊、強度行動障害リーフレット)

ただし、重度・最重度の知的障害を持っている方や自閉症の特徴が強い方がなりやすく、人とのコミュニケーションを苦手としている方が多いです。
「強度行動障害」の方は、人を困らせたいわけではなく、自分が困っていることのサインと表していることを念頭におきましょう。

全国的に見ると、「強度行動障害」の方は、療育手帳を保有されている方の中の約1%と言われており、少ないと思われるかもしれません。
ですが、わずか1%(約8,000人)であれ、ケアを必要とされているのは確かです。

生活を支える場所の考え方

現在、「強度行動障害」の方の生活をサポートする場所として「入所施設」、「グループホーム」、「自宅」、「独居」、「その他」の5つがあります。
そして、生活をサポートするために以下の条件を満たすことが大切です。

●決まった日課を過ごせるような日中活動の場
●ひとりでも過ごせる活動の提供
●時間を過ごす場所(建物)の工夫
●決まったスケージュールの提案と管理
●専門家との連携

「強度行動障害」の方は、環境の変化などに対応が厳しく、パニックを起こしてしまうことが原因です。いかに自分のペース(時間や空間)を守れるかがキーとなります。

ケアを提供する側として

人数が多い大規模な施設での提供は難しい方が多いため、小規模施設、グルーブホームでのケアが望ましいです。
スタッフが特に重要であり、入れ替わりが多い状態では、環境に対応できず、行動障害を引き起こすきっかけになると考えられます。

スタッフが働きやすい、続けやすいシステムや環境を構築することも忘れないようにしましょう。スタッフが働きにくい環境であれば、離職が相次いでしまうことがありうるからです。

「強度行動障害」の方にとって、慣れた環境にいることが心身を穏やかに保つことになります。

構造化した環境を整えることがケア提供側の要となる

施設内の構造化を組み立てる

グループホーム オーリー

決められたことをもくもくと行うことができるのも「強度行動障害」の方の特徴です。特徴をとらえ、構造化を図ります。

以下の3つの視点で環境を構造化します。

●時間的な環境
●物理的(場所や建物)の環境
●人的な環境

時間的な環境の構造化

毎日決まったルーティンでスケージュールをこなしていくことができますので、スケージュールをしっかり組み立てます。
1日、1週間、1ヶ月単位でのスケージュールを理解するために、それぞれ簡潔な見える化で示します。

時にはスケージュール通りに進まないときもありますので、予定変更時も口頭ではなく、写真などで見える化し、練習して慣れていかなければなりません。

またただ待つことで混乱する場合がありますので、タイマーを活用するなどしてどれぐらいの待ち時間があるのかも見える化して伝えます。

物理的(場所や建物)の環境

多くの情報を与えないことで、作業などを集中できるようにします。

例えばパーテーションで、個人の位置を明確にし、他者の状態が目に入らないようにしたり、音に反応しにくいようにイヤーマフをしてもらうこともあります。

食事の場では、福祉施設ではみんなと一緒に食卓を囲むように配置されることが多いのですが、「強度行動障害」の方の場合、人とのコミュニケーションをとることが苦手であること、人が変わることに対して敏感なため、小規模テーブルの配置や、あえて壁に向いて食べるようなレイアウトにすることもあります。

個人の作業スペースではパーテーションで区切りますが、施設全体に視野を広げて考えると、外部からの視覚的な刺激を軽減させるために窓の位置を高い位置に設置したり、掲示板など余計な装飾を控えます。

また突発的な行動に対し、スタッフが迅速に対応できるように、見通しがきくつくりにすることも大切です。

人的な環境

先ほどお話した内容と重なりますが、対応するスタッフが入れ替わり立ち替わりにならないようにすること、また人によって対応が変わらないように一貫した対応をすることがポイントです。

また必要なスケジュールなどを伝える際には、長い文章で伝えず、短い言葉と写真で伝えたり、本人の状態に対し必要なことを読み取る(例:困っている、嫌がっているなど)ことも必要です。

突発的な行動に対応するために

変化に対応できず、パニック状態になり、激しい行動をすることが多くあります。いかに冷静に対応できるかもポイントにはなりますが、先ほどの物理的な構造化のように、建物のつくりで対応していく部分もあります。

個室での配慮

窓を高い位置に設置すること以外に、「音」に対する配慮が必要になります。天井に吸音ボードを取り付けたり、床をコルクを使用することで硬い音を柔らかくします。

あえて凹凸をつくることで、角の納まりを丸くすることで安心できるようにします。

扉は室内側へ開く開き戸を使用し、家にいるのと同じようにすることで、「扉を開け閉めする」行為に対して混乱しないようにします。
病院や介護・グループホームなどの福祉施設では引き戸が多く採用されますので、違いがあることに留意してください。

失尿・失便に対する配慮

室内で失尿・失便をする方もいらっしゃいます。そのため、衛生面や臭い対策もかねて水洗いができるようにします。床材はもちろんのこと、排水装置や換気扇も設置し、スタッフがすぐに対応できるための方法です。

施設内の破壊行為に対して

「強度行動障害」の方は、思わぬ行動をされます。
扉を一つ開ける行為にしても、自分が想定する方法と違っている場合、想定する方法で開けるために勢いよく開けたり、ときには蹴ることもあり、扉が外れたり、破損することもあります。

窓でも、いくら高い位置に設置していても叩き割ることも想定し、強化ガラスではなく、アクリルボードやポリカーボネートを採用し、窓の破片で怪我をしないように工夫することも一つです。

ただ頑丈にすればいいわけではありません。

頑丈にすればするほど、跳ね返りがあるため、大怪我につながったり、スタッフでは対応できなかったり、修理が困難になることもあります。
必要な箇所は頑丈に、破壊されても修理しやすい凹み程度となるような素材を使うことで対応します。

破壊行為による修理は何度でもある

施設を建てる段階で、どんな行動をするのか、想定して設計されますが、突発的な行動に対して、すべてを想定しておくのは難しいことです。
利用者の状態にもよりますし、何回かの改修を重ねて、よりよいものにしていくと考えてください。

ケアには連携が要となる

施設側のスタッフと利用者ご本人の連携だけではありません。利用者のご家族の理解、ときには地域の理解も求められますし、施設の設計士との連携も不可欠です。

利用者ご本人のスタイルに合わせることが軸として成り立ち、さまざま方向から支えていかなければなりません。

人は十分な対応がえられないと判断した場合、セカンドオピニオンを求めるように対応してもらう人を変えていきますが、「強度行動障害」の方ご本人を理解するには専門的なスキルや時間をかけていかなければなりません。

施設を建てるにはノウハウが不可欠

児童養護施設石崎学園 新築工事「強度行動障害」の方の施設は、数が少ないことが現状であり、福祉関係の施設ではもっとも難しいともいえる施設です。
ケア側のノウハウによって、行動に対する必要な処置も分かりますし、設計士としてもこれまでの経験で培った方法で施設で必要な対策方法を提案していくこともできます。

打ち合わせにはとても時間がかかりますが、妥協することなく進めていくことが寛容です。

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