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障害児入所施設|医療型と福祉型の違い

平成24年度から「障害児入所施設」として一元化し、重複障害等への対応の強化が図られました。過渡期として対応していた施設ももう間も無く終了し、今後は、完全に新「障害児入所施設」としての規定を満たした施設でなければなりません。

今回、「障害児入所施設」での人員基準や設備基準の紹介と関連する建築基準法について、また障害児ー>障害者へと変わる18歳の方への対応、についてお話しします。

コラムのポイント●障害児入所施設の児童福祉法令の改編と建築基準法の注意点が学べます。
●障害児入所施設の利用者が分かります。
●障害児入所施設の医療型・福祉型のサービス内容の違い、必要な資格保有者が分かります。

障害児入所施設の再編について

遊戯室

「障害児入所施設」を新たに開業を目指されている方は、『児童福祉』を目的とした法人格でなければいけませんので、ご確認をお願いします。

さて障害児入所施設は平成23年度をもって、再編されています。再編前にどんな施設があったのか、触れておきましょう。

平成23年度までの障害児向け施設は以下の8施設です。
・知的障害児施設
・第一種自閉症児施設(医療提供を行う)
・第二種自閉症児施設
・盲児施設
・ろうあ児施設
・肢体不自由児施設(医療提供を行う)
・肢体不自由児療護施設
・重症心身障害児施設(医療提供を行う)

平成24年度以降、現在はシンプルに以下の2施設に変更されています。
・医療型
・福祉型

細かな分類があった施設から、ざっくりと2施設に分かれましたが、大切なことは、症状によって利用する分類しないことです。
症状別の施設であれば、専門的であり、症状にあった適切な環境を整えられると考えられていましたが、地域によっては、該当する症状の施設がなかったり、利用するには不便な環境が懸念されていました。

再編により、利用者は、身近な地域にある施設で支援を単純に利用方法(通所か入所)の違いのみで、サービスを受けることが可能になりました。

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建築基準法での分類

梅田の保育園

施設を建設する際、児童福祉法だけはなく、建築基準法に従い建てなければなりません。

建築基準法上では、「障害児入所施設」は、いくつもある「児童福祉移設」の一つに含まれています。
小規模な建物であった場合も、直通階段を2つ設置しなければいけないなど、避難規定の制限がかなり厳しくなっています。

さらに小規模な建物であった場合、手続き上で”確認申請”という手続き省略することができますが、「障害児入所施設」である場合、必ず”確認申請”を申請しなければならないルールもあり、注意が必要です。

以下の新潟県の建築基準法に関する法令を一例にご紹介しましょう。

「児童福祉施設等」を新築し、又は、既存の建築物の用途を変更して「児童福祉施設等」とする場合、建築主は、建築工事を着手する前に、建築確認申請書を特定行政庁あるいは、指定確認検査機関に提出し、建築基準法令に適合しているかどうかの確認を受けなければなりません。増改築等を行う場合も同様です。
(引用:新潟県建築基準法)

 

建築確認申請の必要か否かの区分けは以下の表の通り

新築時 用途変更時
施設の面積 100㎡以内 100㎡超え 100㎡以内 100㎡超え
都市計画 区域等内 必要 必要 不要 必要
区域等外 不要 必要 不要 必要

あくまで新潟県での一例ですが、用途変更時における建築確認申請は200㎡未満か、200㎡超かどうかが基準になっています。全国一律のルールではないため、必ず各自治体でのルールをご確認ください。

また注意しなければならないことは、建築確認申請が不要な規模の新築等であっても、「児童福祉移設」としての建築基準法を遵守するこ
とは義務付けられています。確認申請が不要だからと勘違いされるケースも全国的に見られますので、『遵守は必須』とお考えください。

 

 

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児童福祉法における「障害児入所施設」の考え方

先ほどまでは、あくまで建築基準法における施設としての”建物”に対する考え方です。今回のメインである「障害児入所施設」の2つ、『医療型』と『福祉型』の違いについてお話しします。

役割と基本のサービス

障害のある児童が入所し、保護したり、日常生活の指導、自活に必要な知識や技能の付与を行うための施設です。

平成23年度までとは異なり、重度・重複障害や被虐待児への対応を図るほか、自立(地域生活移行)のための支援を充実させることが大前提です。

「福祉」に特化した『福祉型』と、「福祉」に加え医療サービスも行うのが『医療型』です。

複数の障害に対応できるよう平成24年度より一元化が行われましたが、平成23年度まで同様に障害の特性に応じたサービス提供も認められています。

 

利用可能な対象者とは

●身体に障害のある児童
●知的障害のある児童または精神に障害のある児童(発達障害児を含む)
●知的障害児(自閉症児)、肢体不自由児、重症心身障害児【医療型で該当】
●相談所(児童相談所、市町村保健センター、医師等)により療育の必要性が認められた児童

老人を対象とする施設での大きな違いとなるのは、<<手帳の有無は問わない>>ことです。
現状の利用者では、保護の必要性から虐待を受けた児童も含まれています。

 

医療型でのサービス内容

ここからは、『医療型』『福祉型』を分けてお伝えします。まずは提供するサービスについてです。
『医療型』ですから、「医療サービス」がメインとなります。

以下の3つは「医療サービス」が基軸となります。
●疾病の治療
●看護
●医学的管理の下における食事、排せつ、入浴等の介護

以下の4つは「生活をしていく上での必要なサービス」が基軸となります。
●日常生活上の相談支援や助言
●身体能力の訓練に加えて、日常生活能力の維持・向上のための訓練
●レクリエーション活動等の社会参加活動支援
●コミュニケーション支援

 

福祉型でのサービス内容

『福祉型』のためあくまで日常生活での支援が基軸となります。
●食事、排せつ、入浴等の介護
●日常生活上の相談支援、助言
●身体能力の訓練や日常生活能力の維持・向上のための訓練
●レクリエーション活動等の社会参加活動支援
●コミュニケーション支援

『医療型』であれ、『福祉型』であれ、障害児童の症状/特性に合わせたサービス提供も求めれますので、入所者一律のサービス提供にならないようにご注意ください。

 

18歳の方に向けた対応が求められる

入所者が18歳になると、適応される法令が児童福祉法から障害者総合支援法への適応となります。つまり、子どもから大人として認められたことになります。

誕生日を皮切りに、いきなり法令が変わるからと、入所者が退所しなければならない状況を防がなければなりません。

対応策としては、現状で2つの方法が提示されています。

◯自立(地域生活への移行等)を目指した支援を提供
◯施設そのものが障害者向けの施設も併設し、移行をスムーズにできるようにする(障害福祉サービスの指定を受けるなど)

障害児にとっては、住み慣れた場所からの移動にかかる身体的負担だけでなく、精神的負担も大きくのしかかります。できるだけ同じ環境に移行できるよう配慮が必要です。

 

 

障害者入所施設の人員設備について

どんな症状の児童を主として受け入れるかによって必要な人員(資格保有者)が異なります。先に違いのある人員をご紹介します。
『医療型』の場合
◆児童指導員及び保育士
ー主として自閉症児を入所させる施設 6.7:1以上
ー主として肢体不自由児を入所させる施設 乳児又は幼児 10:1以上、少年 20:1以上

 

『福祉型』
◆児童指導員及び保育士
ー主として知的障害児又は自閉症児を入所させる施設 4.3:1以上
ー主として盲児又はろうあ児を入所させる施設 乳児又は幼児 4:1以上、少年 5:1以上
ー主として肢体不自由児を入所させる施設 3.5:1以上

 

『共通』
◆児童発達支援管理責任者 1人以上
◆児童指導員 1人以上
◆保育士 1人以上
◆看護職員(必要人員は決まっていない/医療型の方が多い)
◆栄養士や調理員(委託したものを入所者に提供する場合は不要な場合もある)

 

関連記事

児童福祉施設の設備・法令の改正内容については、コチラもお読みください
■児童福祉施設の設備及び運営に関する基準について

 

設備基準

◆居室(年齢に応じ男女別、定員は4名以下、床面積4.95㎡以上/一人)
ただし乳幼児の場合は、定員6名以下、床面積3.3㎡以上とする
◆調理室,浴室,便所,
◆静養室(主として自閉症児を入所させる場合)
◆訓練室
◆医務室(30人未満の障害児を入所させる指定福祉型障害児入所施設であって主として知的障害のある児童を入所させるもの)
ただし、主として盲ろうあ児を入所させるものにあっては医務室及び静養室を設けないことができる。
◆病院として必要とされる設備
◆緩やかな傾斜の階段
◆症状に合わせた特殊設備(主として肢体不自由児を入所させる場合、屋外訓練場、ギブス室、特殊手工芸等の作業を指導するのに必要なもの、義肢装具を製作する設備などまた、浴室及び便所の手すり等身体の機能の不自由を助ける設備

 

施工事例紹介

障害児にとっては家となりうる施設


入所施設のため、入所者の利用期間は長くなります。子どもたちにとって、人生を左右する時期に入所するため、精神的なケアも求められます。
安全性はさることながら、明るく、過ごしやすい環境を整えて、子どもたちを迎え入れましょう。

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