栃木県のまちづくり|福祉都市宣言のまち

福祉のまちづくりとして、日本国内で先進的な県は東京だけではありません。「福祉都市宣言」をしている栃木県も注目すべきです。
今回は栃木県がどんなまちづくりをしているのか、不特定多数の人が利用する施設(特定施設)に対して厳しい基準を設けていますので、”建物”に関する基準を中心にご紹介します。

福祉都市宣言とは

平成11年、「栃木県ひとにやさしいまちづくり条例」を施行する際に行った宣言です。以下の目的があります。

高齢者、障害者、病弱者、妊産婦、幼児等の行動を阻む様々な障壁を取り除き、すべての県民が自らの意志で自由に行動でき、積極的に社会参加ができるよう生活環境を整備していくため、ひとにやさしいまちづくりの理念を広め、ソフト面及びハード面からのバリアフリー化を進めることです。
(栃木県HPより抜粋)

条例に際し、遵守しなければならない対象施設は、病院や劇場、集会場、百貨店、官公庁の庁舎、公園、道路、公共交通機関の施設などの不特定多数のかたが利用する施設に限定し、高齢者、障害者等を含む全ての県民が使いやすい施設整備を目的にしています。

なお、条例を遵守した施設に対しては、適合証を交付し、一般の方にも分かりやすいように表示します。

求められる整備基準について

誰もが使いやすいように、様々な配慮が必要です。

基本的に必要な設備

・床材は粗面、もしくは滑りにくいタイプ
・通路や出入り口の幅は、車椅子を利用される方がスムーズに通行できる幅にすること
・視覚障害者向けに、廊下とスロープなど違いが識別しやすいように床材の明るさを変えたり、音声による案内表示を設ける

以上が各場所で必要な設備です。次に、各場所特有の基準についてご紹介します。

出入り口

内法80cm以上で、段差がなく、戸は円滑に開閉して通過できる戸にします。

廊下(廊下に類するものも含む)

内法を120cm以上とし、車いすの転回に支障がなく、かつ50m以内ごとに車いすが転回することができる構造にします。

もし高低差がある場合、傾斜路及びその踊場又は車いす使用者用特殊構造昇降機を設けます。視覚障害者向けに音声案内もしくは常勤の案内者がいるように配置します。

<傾斜路や踊り場>
廊下の一部ですが、別段、利用者が安全に通るために必要な設備です。
内法を120cm(段を併設する場合にあっては、90cm)以上で、勾配は12分の1を超えない(段差の高さが16cm以下であれば、8分の1)を超えないようにし、
傾斜路には手すりを設置し、視覚障害者向けに注意喚起用床材を敷設します。

階段

原則、回り段を設けず、傾斜路と同様に、違う色の床材、滑りにくい、手すりを設けます。

エレベーター

まず、かご部分について見てみましょう。

床面積は、1.83㎡以上とし、奥行きの内法は135cm以上とします。
かごの平面形状は、車いすの転回に支障がないようにし、内部には、かごが停止する予定の階を表示する装置とかごの現在位置を表示する装置を設けなければいけません。
またかご内には、かごが到着する階並びにかご及び昇降路の出入口の戸の閉鎖を音声で知らせる装置も必要です。

かごと廊下やを昇降ロビーつなぐ出入口の幅は、それぞれ内法を80cm以上とし、車いす使用者が利用しやすい位置に制御装置をつけ、視覚障害者向けに、制御装置は円滑に操作できる構造にします。
なお、乗降ロビーの幅及び奥行きは、それぞれ内法を150cm以上とし、昇降方向を音声により知らせる装置を設けます。

便所(1つ以上設置)

いわゆる多目的トイレの設置です。

車いす使用者が円滑に利用することができるよう十分な床面積が確保し、かつ、腰掛便座、手すり等が適切に配置します。
出入口の幅は、内法を80cm以上とし、戸は、車いす使用者が円滑に開閉して通過できる構造にします。

また男子用小便器のある便所を設ける場合においては、床置式の小便器がある便所を1つ以上設けます。

駐車場

専用の車いす使用者用駐車施設を設けます。
専用の駐車幅は、350cm以上とし、専用駐車場だと識別やすいように表示しなければなりません。

敷地内通路

幅員は、120cm以上とし、かつ誘導用床材を敷設するか、音声により視覚障害者を誘導する装置その他これに代わる装置を設けなければなりません。
また、車路に接する部分、車路を横断する部分・傾斜路及び段の上端に近接する敷地内の通路及び踊場の部分には、注意喚起用床材を敷設する必要があります。

ここまでが全施設(まちづくり条例で特定施設として認定されている施設)に共通する設備のご紹介でした。
次に、宿泊施設など施設によって、限定されている設備がありますので、各施設に分けてご紹介します。

なお、ご紹介にあたり、施設ごとに分けていますが、共通する設備がある場合は、同じ基準ですので、各設備の項目をご覧ください。
例:宿泊施設で受付カウンターがありますが、商業施設の設備の中でご紹介していますが、定められている基準は変わりません。

介護施設関係の施設やホテルなど宿泊施設の建物

主だった設備をピックアップしています。

洗面所

車いす使用者の利用に配慮した高さで設置し、かつ、その下部に車いす使用者が利用しやすい空間を設けます。
また水栓器具は、回すタイプではなく、自動タイプにするなど容易に操作できるものにします。

共同浴室

誰もが、円滑に利用できるよう十分な床面積を確保し、浴槽、手すり等を高齢者、障害者等の利用に配慮したものを設置します。
脱衣場や洗い場の出入口の幅は、内法80cm以上とし、段差はないようにつくります。
水栓器具は、洗面所と同様に容易に操作できるものとし、非常通報装置も設置し、その装置もボタンを押すだけなど容易に操作できるタイプにします。

更衣室やシャワー室

便所や洗面所・共同浴室と変わらず、利用者がスムーズに行動できるような床面積を確保し、手すりの設置します。
出入り口の幅も内法80cm以上とし、段差はないようにし、非常通報装置も設置します。

客室

車いす使用者が円滑に利用することができるよう十分な床面積を確保し、便座も車椅子対応タイプにします。
全室対応が、宿泊を希望される側にとっては魅力ですが、法令上は、1部屋以上車椅子対応タイプの部屋を設ければよいとされています。
浴室に関しては、十分な広さの確保など共同浴室と同じ配慮が求められますが、共同浴室がホテル・旅館内にある場合は、通常タイプでも問題ありません。

映画館や鑑賞などのホール施設

固定式の客席がある場合、車椅子利用者席を設けます。席数は、客席総数500席以下で2席、500席以上で総数に500分の1を乗じて得た数が必要です。
計算上小数点以下の端数が出た場合は、端数は切り捨て、整数に2を加えた数とします。
席の広さは、1席あたり幅90cm以上、奥行き110cm以上必要で、席の後方に車いす使用者の出入り及び転回に支障のない部分を設けなければなりません。

客席にいたるまでの通路は、施設内の通路のうち1つ以上、以下の規定を満たす必要があります。
通路幅は120cm以上で、高低差がある場合は、傾斜路を設けます。

また難聴者の聴力を補う集団補聴装置等を設けるように努めなければなりません。

駅や店舗など

改札

基本は段差を設けず、、内法を80cm以上の幅がある構造の改札口を1つ以上設けます。

公衆電話

車椅子対応の高さに設置した公衆電話を1つ以上設置し、出入り口幅も内法80cm以上の構造に準じたものにします。
また、難聴者及び視覚障害者に対応した公衆電話機と公衆ファクシミリを設けるように努めましょう。

受付カウンター

車椅子の高さに合う高さのカウンターを1つ以上設け、カウンター下部は、少し空間を設けて足がつっかからないようにします。

病院内の受付カウンターは、音声案内のほか、文字による呼出し装置を設けます。

券売機

車椅子対応の高さのタイプのものを1つ以上設置し、運賃等を点字で表示する等視覚障害者が円滑に利用できるタイプのものを1つ以上設置します。

案内表示

高齢者、障害者等が確実に目的の場所に到達できるよう設置箇所と表記方法を工夫します。

エスカレーター

ステップの水平部分は、3枚以上にし、乗降口の両側に設ける移動手すりの水平部分の長さは、ステップの前後それぞれ、120cm以上と定められています。

どんな設備であれ、怪我をしないように安全かつスムーズに使えるような配慮が必要です。単に高齢者・障害者というくくりとして考えるのではなく、ありとあらゆる人が使いやすい構造が求められます。

特定施設の設立に向けて

栃木県以外の他都道府県でも同じですが、必ず各自治体の「まちづくり条例」は確認しましょう。全自治体共通ではありません。

栃木県は、「福祉都市宣言」を行った自治体ですから、基準も厳しくなっています。
しかしながら、どんな利用者も安全に利用できる環境を整える意識と準備が、企業としての社会的貢献度を高め、信頼度も高まりますので、有意義な活動となるでしょう。

設立に向け、プロへの相談は必須ですが、条例などの対応をすば早く行うためにも、できるだけ早い段階から相談されることをおすすめします。

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