介護福祉系施設の居室について

今介護施設の開業を検討されている方にとって、どんな介護施設を設立すべきか、また入居者にとって大きな生活スペースとなる『居室』は重視すべき場所です。
今回は、その『居室』に焦点をあて、居室の種類、各施設の広さ、部屋に工夫すべき点についてご紹介します。

介護施設の種類と特徴

介護施設は介護を必要とされる高齢者に介護サービスを提供する施設です。
新めて、どんな介護施設があるのかをご紹介し、各施設の法令で定められた居室の特徴や広さについてお話します。

特別養護老人施設

<施設の特徴>
定員29名以下とする地域密着型特別養護老人ホームと定員30名以上の特別養護老人施設があります。
入浴などの介護サービスのほか、日常生活のお世話や、機能訓練、健康管理及び療養上の世話といったサービスを提供します。
主に介護保険法及び老人福祉法に従い、建物やスタッフなどの設備基準が定められています。

<居室に対する基準>
原則個室であり、10.65㎡以上の広さが必要です。
ただし、施設により多床室タイプとユニット型個室があります。

介護老人保険施設

<施設の特徴>
医療的ケアやリハビリを中心としたサービスを提供し、入居者は入院生活から在宅に変わる間の準備・訓練期間(約3ヶ月)を過ごします。

<居室に対する基準>
施設により、個室と多床室の両タイプあります。
居室の広さは8㎡以上必要であり、施設内はリハビリ設備が充実しています。

介護医療院

<施設の特徴>
介護を必要とされる方が、長期療養をし、生活をする施設です。

<居室に対する基準>
居室という考え方ではなく、病室もしくは療養室と考えられ、定員4名以下の多床室が基本です。
ただし室内は、家具・バーテーション・カーテンで区切り、個人のプライバシーが守られるように配置しなければなりません。
原則8㎡以上の広さが必要ですが、介護療養型施設や医療療養病床から転換し、大規模改修が行われるまでは6.4㎡以上でも認められています。

ケアハウス

<施設の特徴>
軽費⽼⼈ホームC型とも呼ばれることがあり、介護型と一般型に分かれます。

<居室に対する基準>
1⼈⽤の居室は14.85 ㎡以上(室内の洗⾯所、便所、収納設備及び簡易な調理設備の広さを除く)であり、設備を含めた広さは21.6㎡以上必要です。
2⼈⽤の場合は31.9㎡以上が必要となります。

有料老人ホーム(介護付き/住宅型)

<施設の特徴>
介護付きタイプは、名前の通り、基本要介護の方が入居対象者であり、介護サービスを提供する施設です。看取りも可能であり、入居者にとっては「終の住処」ともなる施設です。
一方で住宅型は自立している方を対象とした施設ですあり、必要に応じて別料金で介護サービスを提供し、必要な介護が”重度”となれば退去をお願いすることになります。

<居室に対する基準>
原則個室であり、13㎡以上必要です。二人部屋の場合もあり、18㎡以上の広さが必要です。

サービス付き高齢者住宅(通称:サ高住)

<施設の特徴>
本来であれば、「介護施設」に属さず、一つの「住宅」としてみなしますが、入居を希望される方が『介護付き有料老人ホーム』と比較されることが多いため、あえてご紹介しています。
主なサービスは生活相談と安否確認であり、「介護」サービスに関しては、利用者の希望に応じてサービス内容を提供します。

経営者側からすると国から補助金が出るため設立の資金が準備しやすいと言えます。

<居室に対する基準>
広さは原則25㎡以上必要であり、居室内には水洗便所、浴室、洗面設備、台所、収納設備が必要です。
ただし、リビングルームや食堂、台所などの共同スペースに十分な広さがあり、必要設備も備えた場合は、居室の広さは18㎡以上でもかまいませんし、浴室などの設備も必須ではありません。

シニア向け分譲住宅との違い
シニア向け分譲住宅は、バリアフリーの分譲マンションであり、個人の資産となる「住宅」です。「施設」ではありません。
法令上、通常の分譲マンションと同じ位置づけであり、入居者を高齢者の方が対象となっており、生活サポートの体制は整っています。
生活相談などのサービス提供はありません。

グループホーム

<施設の特徴>
認知症の方が、5人から9人程度の少人数のかたまり(ユニット)となり、共同生活をする施設です。
症状の進行を緩やかにするため、職員がサポートをしながらも、自分ができることは自分で行っていただき、できる限り家庭的な環境を提供します。

<居室に対する基準>
個室もしくは準個室であり、必要設備の面積を除いて7.43㎡以上と定められています。

以上が介護施設の種類と特徴です。

居室の種類について

ただ居室といっても、広さ・つくりにいつくかのタイプがあります。特につくりにおいては、介護方法や介護に対する考え方が反映されます。
こちらの項目の最後に、どのつくりがどの介護施設で採用されることが多いのかまとめています。

ユニット型個室

入所者一人一人の生活リズムやプライバシーを尊重するタイプで、入所者は個室での就寝をしながら、共同生活室(リビングスペース)で他の入所者を交流がもてるつくりです。

個室は共同生活室を囲むように部屋と隣接してつくられることが多く、近年政府が力を入れている居室のタイプです。
主に、10室に一つの割合でつくられることが多いです。

なお、認知症を患った方にとって、進行を遅らせる環境づくりとしても注目されており、認知症を受け入れるグループホームで積極的に取り入れられています。
個室のため、プライバシーが守られていますが、各個人が負担する額がもっとも大きいことが入所希望者にとってネックとなる部分です。

ユニット型準個室

ユニット型個室と同様に共同生活室が設けられますが、個室のつくり・施設内での個室と生活共同室の配置の仕方が異なります。

学校の教室の配置を考えていただくとイメージしやすいかと思います。
真ん中に廊下があり、各教室が横並びになり、そのうちの一番大きな部屋を自由に使えるフリーの教室があるのを想像してください。
ユニット型準個室に変えると、教室が各個人の個室となり、フリーの教室が共同生活室に該当します。個室はもともと広いため、半分に分割し、2部屋にします。
一つの部屋を2人が入所する形にはなりますが、各個室には窓があり、扉も別で家具による分割ではなく壁でしっかりと分割されています。ただし、間の天井と壁に隙間があってもよいと認めれています。

従来型個室

ユニットケアを元に作られていない、従来の個室のタイプです。

ユニット型準個室と同様に学校をイメージしてください。ユニット型と異なり、共同生活室が設けらません。廊下を挟み、個室が設けられることが多いつくりです。
食堂や機能訓練室として独立した部屋が設けられ、扉を開ければまずは廊下があり、廊下を通って食堂などへ向かいます。

入居者同士のトラブルが起きにくいですし、万が一トラブルが発生しても、人間関係が密接ではない環境のため、職員がトラブル対応(お互いに会わないようにスケジュールを組み合わせるなどのケア)が少ない可能性が高いです。

多床室

二人部屋や四人部屋などいわゆる相部屋です。通常の病室のようにカーテンによる仕切りはあります。

多床室(準ユニットケア型)

先に紹介している多床室を改修し、個室化したタイプです。
個室化されているとはいえ、完全に壁による仕切りではなく、天井から一定程度空いているタイプであり、各個室の10.65㎡以上の広さが確保されています。

各施設が採用する居室の種類まとめ

ユニット型個室・・・グループホーム、特養・老健・介護医療院
個室・・・有料老人ホーム・サ高住・介護医療院
多床室・・・特養・老健・介護医療院
準ユニットケア型多床室・・・特養・介護医療院

居室で工夫すべき点

入居者は、足腰の弱い高齢者であり、なおかつ介護を必要とされる方です。移動のしやすさはもとより、心地よい空間にしなければなりません。

転倒防止する床材を使用したり、転倒しても怪我をしにくいクッション性のある床材を使用したり、コンクリートのような無機質ではなく、木材系を積極的に使用すべきです。

また、閉鎖的な空間・見た目にしないこと、光や緑の存在を感じるように窓の設置・採光を考えなければなりません。

プライベートを大切にする

少し前までは、スタッフ目線が強く、入居者のプライバシーが守られているとは言い難い環境でした。

例えばカーテン一枚で仕切られていても、声が聞こえますし、動きも何らか外に漏れてしまうものです。
しかし昨今では、入居者を大切にするためプライバシーを守ることを重要視されるようになりましたので、原則『個室』であることが求められています。

現状では、多床室からの改修の場合、完全個室にすることが容易ではありませんから、パーテーションを上手に活用する必要があります。

施設ごとの配慮が必要

有料老人ホームなど多くの施設は、100名以上の施設が多いため、介護の程度や必要具合を個人に合わせ行うことが難しくなりますし、特に認知症を患っている方々にはふさわしい環境とは言えません。

今、ケアハウスやグループホームでは、家庭的な雰囲気作りも求められていることを念頭に入れる必要があります。

心地よい介護施設を設立しよう

介護施設は、病院のような扱いではなく、生活をする場所『住処』です。入居者が心地よく過ごせるように、配慮しましょう。
また入居者ファーストではありますが、職員も動きやすい、働きやすい環境作りや施設のつくりも忘れないようにすることで、施設全体が盛り上がることになるでしょう。

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