空き家から福祉施設の転用について

空き家の活用方法で、福祉施設への転用が推進されていることはご存知でしょう。いくつかの法改正も重なり、転用が行われやすい環境が整っているにも関わらず、注意点が多いことが難点です。

今回は、空き家が転用されるようになった理由、また活用事例もご紹介し、転用での注意点も合わせてお伝えします。
福祉施設への転用は、苦労もありますが、可能性はまだまだ大きいことに触れてください。

なぜ空き家から転用されるのか

大きく考えて以下の3つの理由があります。

・空き家が増え、空き家率を解消するため(地域資源の再活用するため)

・高齢者や障害者・障害児が生活しやすい社会にするため

・福祉施設の小規模化

空き家率を解消するため

昭和から平成をかけぬけ、今令和の時代を迎えました。
社会の変化とともに、人口は都市圏へ集中し、家族の携帯も核家族へと変化しました。
空き家が多くなってしまったのは、家を継ぐものがいないため、また家の所有者はいるものの、有料老人ホームなどに入所したため住んでいる人がいないからです。

例えば、親が施設に入所したからといって、家を売却することが少ないのです。その親もいずれは自宅に戻りたいという気持ちから売却しようとは考えないのです。
そういった家も「空き家」としてカウントされてしまうので、空き家の数としては増えてしまいます。

所有者いない家も当然あります。
売却しようとしても売れないこともありますし、自治体(または所有者)が解体費を負担できないため、家を放置せざるをえないのです。

しかし、「空き家」のままだと、雑草や木が成長し、景観を下げたり、不法侵入や放火されたりなど犯罪を助長する環境であることが問題です。

日本国内には、家だけでなく、空きビルや空き学校も存在し、「空き家」として数に含まれていることも知っておいてください。
そして解体されることなく、そのままの状態で残されていることがほぼんどです。
だからこそ多く存在する「空き家」を減らす方法として、『施設』に生まれ変わり再活用することを目指すようになったのです。

高齢者や障害者・障害児が生活しやすい社会にするため

高齢者・障害者・障害児はどうしても社会から孤立しやすい環境です。
もしどこかの施設に入所する場合でも、大きな施設で、地域から離れた場所にあることが常で、隔離される雰囲気が強いため、社会から孤立してしまいます。

まず地域住民との交流をしやすくするためには、その地域内に施設を建てる必要がありますが、そうそう大きな土地はありません。
「空き家」「空きビル」「空き学校」を施設へと転用することで、地域密着型を形成できる環境を整えやすくなりました。

福祉施設の小規模化

これまで施設は、できるだけ多くの人に利用してもらうため、大きい施設が望ましいとされていました。
しかし、大きい施設ほど、一人一人の入居者に対するケアが丁寧にすることが難しくなり、入居者ファーストよりも職員ファーストの世界になっていることも問題になっていました。

施設を小規模化することで、職員が一人一人に目がいきやすくなり、サービスが向上し、なおかつ「空き家」も活用できるとありまさに一石二鳥なのです。

転用事例紹介

さて、みなさまが気になるのは、「空き家・空きビル・空き学校」をどんな福祉施設へと生まれ変わったかかと思います。
全国の事例から5つピックアップし、転用の際に注意したことなど合わせて紹介します。

民家から認知症高齢者向けグループホームへ

そもそもグループホームは、地域交流ができる環境で立地しなければならない、なおかつ、グループホームだとすぐに分かるような佇まいにしてはならないというルールがあります。

また認知症患者は、慣れ親しんだ環境の中にいることで、症状の進行を遅らせることができます。

民家から転用することで、建物の雰囲気は患者さんにとって馴染みのあるものであり、負担の少ない入所を可能にしました。

民家から小規模多機能居宅介護施設へ

小規模多機能居宅介護は、「通い」「宿泊」「訪問」の3つのサービスを提供する施設です。
利用者の多く、一番スペースを必要とする「通い」の部分を民家を利用し、「宿泊」スペースと、地域交流の場として使用するスペースを増築しました。

こちらの民家は、もともとふすまを仕切りに4つの和室があり、ふすまの撤去をすることで、「通い」用のスペースを確保しています。また、周りの景色が良かったため、入浴中に見えるように設計し、入浴を楽しめるように工夫しています。

店舗から住宅型有料老人ホームへ

もともと大きめの店舗であったため、民家とは異なり、少し大きめの施設が建てられました。
店舗であったため、住宅らしさには雰囲気がかけていましたが、ウッドデッキを居宅スペースの前に設置することで、家の雰囲気を作り出しました。

病院から特別養護老人ホームへ

世代交代がうまくいかず、病院ですら、「空き家」へと変わってしまった場所がありました。

もともと病室であった部屋を居室へと変更したり、余った病室を事務室にしたり、壁を撤去し、多目的ホールや食堂の部屋とすることができました。
居室を増やし定員数を増やすことも可能でしたが、決められた採光を確保すること、利用者の動線を短くすること、職員が入居者をきちんと見守る環境を整えるために、居室を最小限に抑えました。

集合住宅の一部を高齢者デイサービスへ

集合住宅で空室が増加していました。集合住宅の1階部分を改修し、食堂からデイルームへと変貌しました。ベランダをつなげ、ウッドデッキとすることで開放的な空間を作り出しました。
ただし、徘徊を防ぐため別の場所の移動するには、一度必ず室内に入るように設計しました。
また、消防法の関連で、広げたかったスペースにも関わらず、壁を設置せざるをえなかったこともありました。

転用の注意点

空き家活用のため、福祉への転用が行われやすいように、手続き上、簡易になるように法改正されています。

しかし、手続きの不要と、建築基準法などの法令に遵守しなければならないにも関わらず遵守が不要になった誤認することがあったり、
過去の建物であるため、過去の法令に遵守された建物なのか、はたまたもともと違反の状態で建てられたのか分からず、確認に時間を要したり、そもそも工事の許可がおりないなどの問題も発生しています。

既存不適格建築物と違反建築物について

ますは既存不適格建築物と違反建築物がどんな建物なのか知ってください。

既存不適格建築物は、建設当時は適法だったが、その後の法改正によって現行の法令に適合しなくなった状態の建築物のことです。
転用にあたり、一定の緩和規定が適用されます。

一方違反建築物」は建設当時から法に適合していなかったものであったり、、建設後に違法な増改築工事などが行われた建物のことです。
まず用途変更をする前に、その是正工事(容積率オーバーのときは減築など)が求められるなど、施設の設立まで困難な道のりをたどります。

さてここで転用時に問題なるのは、現存する建物が、現在の法令に適法な建物なのか、はたまた既存不適格建築物なのか、違反建築物なのかが分からないケースが多いのです。

いずれの建物に該当するか判別するために、「検査済証」で確認ができます。「検査済証」があれば適法で建てられたものとみなせますが、既存不適格建築物か、違反建築物が分からない場合は「検査済証」がないからです。

法令の誤認について

用途変更の際、耐火基準などを確認する「建築確認」が必要ですが、これまで100㎡以下であれば「建築確認」の手続きが必要だったものを法改正で200㎡未満の他建物まで範囲が広がりました。
「建築確認」が不要になったことで、施設建設時に遵守すべき耐火基準も特例で守らなくてもよいと一部で誤認されたからです。

これからつくる施設は、福祉施設であり、多くの不特定多数の人が利用する場所で、スプリンクラーや火災報知器の設置などは、法改正後も変わらず遵守しなければならないのです。

空き家の活用で地域にも貢献

福祉施設は、社会貢献度が高く、法人としての評価も高めてくれます。

また空き家を活用することで、空き家率を下げることができますし、犯罪の助長となるような場所に建てるため治安を守ることにもつながります。
さらに、地域交流を兼ねている建物へと変貌させるのですから、地域も活気づけることができるのです。

まずは地域のニーズを探りましょう。
空き家を活用し、どんな福祉施設の開所が求められているのか把握し、ビジネスの可能性を見出します。

空き家の転用は、建物そのものがどんな建物なのかを確認しなければなりませんし、既存の建物をどう使い、どう活かせるかは初期費用にも影響しますので、プロの相談を早い段階から行うべきです。

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