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介護療養病床に相当する施設とは|2024年までに準備を

現在の日本では超高齢社会にあり、医療面では様々な変革が進められています。全体的な傾向としては、「在宅」介護ができる環境作りが際立っていますが、医療ケアが必要であり「在宅」が難しい方がいらっしゃるのも事実です。

そんな医療ケアが必要な方のための施設として、「介護療養病床」がありますが、廃止が決まっていることは、ご存知でしょう。
ただ廃止にしては、今まで入所していた方の受け皿がなくなってはいけません。新たに、『介護医療院』が代わりをつとめます。

新たな施設がどんな施設なのかご紹介します。

コラムのポイント●介護療養病床は、2023年度末で廃止されます。
●介護療養病床の代わりに『介護医療院』と『介護老人保健施設』が役目を果たします。
●介護療養病床とは何か、『介護医療院』や『介護老人保健施設』の設備について分かります

介護療養病床とは

介護療養病床とは、介護療養型医療施設とも言われますが、インスリン注射、たん吸引、カテーテルなどの長期的な医療ケアを必要とされる方のための施設です。

通常の入院施設と異なる点は、患者者の病状が安定していることで、適用される保険が医療保険ではなく、介護保険であることです。

提供されるサービスは、「治療」するケアではないインスリン注射などの医療ケアがメインとはなりますが、食事や排せつなど日常生活上の介護に加え、リハビリテーション、ターミナルケアや看取りも含まれています。

介護付き有料老人ホームと似通ったサービス提供ですが、医療ケアの面が強いのが特徴です。

2023年末を持って廃止が決定されている

介護療養病床に入られた方のうち約半数近い方が、人生の最期まで過ごされることが多いです。

しかし、2006年の医療保険改革により、介護療養病床の廃止が決まり、2017年を目標に転換することとなっていましたが、なかなか進まず、廃止が延長されました。

廃止が延長されたことで、次はないという勢いで、2023年度末(2024年3月)を持って完全な廃止が決まっています。

ですが、利用されている方もいますし、看取りまでできる施設は、超高齢社会である日本にとって不可欠な施設ですので、何らかの別施設が必要なのです。

 

利用者・利用希望者の受け入れ先はどこに

廃止が決まっているにも関わらず、別の施設がないのは社会崩壊を招くようなものです。

だからこそ、介護療養病床に変わる施設として、今増設されているのが、『介護医療院』並びに『介護老人保健施設』です。

この2つの施設は、サービス内容が医療に重きがあるタイプ(終の住処型)とリハビリに重きがあるタイプ(自宅での生活復帰を目指すタイプ)とに分かれます。

では『介護医療院』『介護老人保健施設』の違いを細かく比べてみましょう。

福祉施設の施工事例をみる

 

介護医療院とは

まさに介護療養病床と同じようなサービス(医療ケアや日常介護、看取りなど)が提供されます。

インスリン注射など医療ケアが必要な方にとって、大切な施設です。

さてこれまでの介護療養病床との大きな違いは、「病院」という形よりも「生活の場所」を意識した施設ですので、地域交流やレクレーションが行われます。

 

介護医療院I型、II型、外付け型の3種ある

介護医療院は、大別するとI型・II型、外付け型と区別されます。

I型・II型においては、まとめて内包型といわれることがありますので、知っておきましょう。

 

I型、II型、外付け型の利用者

I型・II型、外付け型の3種類の中で、受け入れの対象者に違いがあります。

I型・・・3つの中でもっとも医療ケアが強く、重症の方(重篤な身体疾患や身体合併症を有する認知症高齢者)
II型・・・I型に比べて症状が安定している方
外付け型・・・症状別ではなく、医療ケアが必要であるものの症状が比較的安定している方

 

施設設備について

介護医療院では、介護医療院の本質である医療・介護・生活の場のための設備が整っています。

医療・介護・生活の場、それぞれの設備をお伝えします。

医療面:医師が診察を行う診察室、処置室、臨床検査施設、調剤所、エックス線装置などの医療設備
介護面:リハビリのための機能訓練室
生活面:浴室、レクレーションルームや談話室、洗面所、トイレ、調理室、洗濯室

提供するサービスに関連する設備が揃っていることが分かりますね。

 

I型・II型・外付け型の各設備について

I型・II型・外付け型の違いを見てみましょう。

I型
・多床型(4人一部屋)が主流で、一人当たり8㎡以上の広さの居室(療養室)
・人員の配置が、医師48対1、看護及び介護6対1

II型
・建物の設備はI型と同様、多床型(4人一部屋)が主流で、一人当たり8㎡以上の広さの居室(療養室)
・人員の配置が医師100対1、介護と看護を合わせて3対1(ただし、7分の2程度は看護)

医療外付け型
居住スペースと医療を行うスペースは別とみなします。
医療部分は現存する病院が担う形のため、これから増設する場合は居住スペースの基準を満たした建物のみとなります。

・居室は原則個室で、一人当たり13㎡(新設)
・人員の配置では、医師の基準はなく、看護と介護を合わせて3対1

(ただし看護職員は30名までは1名、30名以上は50名ごとに1名)

 

どのタイプの『介護医療院』も、入居者が限定されているように、その症状に合わせた設備が必要です。重症の方の受け入れが主流のI型が、医療面での設備が充実するのは当然のことかと思います。

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介護老人保健施設とは

正式名称は、介護療養型老人保健施設であり、通称老健です。
長期入院されていた方が、ご自宅に戻るまでの間に入所される施設です。
介護医療院と異なり、”いずれはご自宅に戻ること”が前提ですので、入所される方の日数は長くありません。
特別養護老人ホーム(通称:特養)と似た役割を果たしていますが、特養よりも医療ケアを提供します。

どんな設備があるのか

・介護医療院に比べ、機能訓練室内のリハビリ器具や設備が充実(広さは1㎡以上/一人)
・基本的に生活面での設備(キッチンやトイレなど)は、共有タイプ
・食堂は2㎡以上/一人
・居室は10.65㎡以上のユニット型個室(新設時)、8㎡以上の多床型(従来型からの移行タイプ)と、有料老人ホームなどとは違い個室ではありません。

 

人員の配置基準は定員100名から定められています。
・医師は1名以上の常勤
・看護師は3対1の割合で、看護・介護職員総数のうち7分の2程度(入所者100名で9名)
・その他理学療法士や支援相談員など1名以上
・薬剤師は入所者300名で1名が基準であり、実情に応じた配置

 

介護老人保健施設の実情

従来型の老人保健施設からの転換が推奨されていましたが、介護保険の報酬の関係から転換が進まず、その対策として、介護療養型医療施設の「療養機能強化型」が新設されることになりました。

つまり、従来型から「介護療養型老健」の転換の必要性がなくなったのです。

しかし転換の必要がなくなったからといって、入所希望者のニーズが減少しているわけではありませんから、介護療養型医療施設というくくりでは、『介護医療院』の増設および従来型老健からの『介護医療院』への転換が進んでいましたが、2021年までは新設が認可されず、従来型老健からの移行が優先されている現状です。

(参考:独立行政法人 福祉医療機構

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介護医療院および新型老健の建物について

建物の設備として、ご紹介したような基準が設けられていますし、義務です。
しかし、まだまだバリアフリーや消防法、医療法や介護保険法に基づいた細かな配慮が必要ですし、従来型からの移行で特別に認められている別基準もあります。

特に注意しなければならないのは自治体の条例です。東京都内など政令指定都市の条例は、厳しい基準が設けられていることが多く、A市、B市と内容が違っているからです。

また入所される方がご高齢者の中でも、特にケアが必要な方々が利用される施設ですから、転倒されても大怪我にならないように、クッション性のある床板にするといった配慮も必要ですし、他施設との差別化も必要です。

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スタッフが働きやすい環境も考えよう

介護施設は、働くスタッフがいてこそ成り立つ施設です。昨今の働き手の確保することは経営者にとっても急務のはずです。

施設を建設する上で、どうしても基準を満たすこと、入所者への配慮に目がいってしまいますので、スタッフが利用する場所に関しては後回しになってしまいます。

例えば、動線を考えた物品の場所の配置にすることで、より働きやすい環境が整えられます。この工夫一つがスタッフが長く働けることに繋がるかと思います。

入所者もスタッフも大切にできる施設にむけて、ぜひノウハウが十分にあるプロに相談してください。

こちらにお電話をおかけください。

03-5284-7106

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