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木造園舎をつくるハードルの高さについて

これから新しく園を開園しようとすると、社会のニーズは、認定こども園の開園です。認定こども園では、幼稚園型・保育園型・幼保連携型・地域裁量型の4つに分類されますが、ニーズがもっとも高いのは幼保連携型ですね。

これまでの幼稚園の質(教育)と保育園の量(保育)の両方を兼ね備え、各自治体が受付を行うため、保育料も所得額別に分けられるため、場合によっては、リーズナブルな保育料で利用できると期待され、これから多くの園が幼保連携型認定こども園になっていくと予想されています。

園舎を建てるとなると、どんなデザインかよいのかと悩むところです。近年の風潮で、”木造で”と真っ先に考えることでしょう。”木造”は耐火機能や材料費の面でこれまで敬遠されてきました。今、本当に”木造で”園舎を建てることがが難しいのか検証してみましょう。

なぜ”木造”が推進されるのか

木の温かみを感じるため、人は”木造”を好ましく思うことが多いです。ですが、それだけで政府は推進するでしょうか。

木を使うこと=自然環境を壊すことになると考えられていましたが、実際は、木を使うことで森の循環サイクルを守っていることが分かったからです。木がただ大きく育つのを待つだけでは、実は、木が木の成長を妨げているのです。

というのも、木と木が密集してしまうと、一つ一つの葉や木に太陽の光が当たらなくなり、必要な光合成を行うことができなくなるからです。つまり木を育てるには、「間引き」が必要となり、木を伐採し、利用することが求められるため、政府としても”木造”を推進するようになったのです。

木を建築に使うことのメリット・デメリットも分かっていないと、簡単に使えませんので、メリットとデメリットをご紹介します。

木造園舎のメリット

・デザインの自由さがある
・建築費用が鉄筋コンクリートに比べ、コストダウンしやすい
・木がもつあたたかみを感じられる
・環境に優しい

本当にコストダウンするかどうか、後ほど検証します。

木造園舎のデメリット

・耐久性が低く、地震などの災害の影響を受けやすい
・シロアリなど害虫による劣化の心配が大きい
・耐火機能が鉄筋コンクリートに比べ低い
・木の扱いが難しいため、職人の腕の良し悪しで差がでてしまう
・手入れが難しいと考えられている

次に、認定こども園を”木造園舎”にしようと考えた場合、設計プロに相談すると、まだ断られる可能性が高い現実が待ち受けています。それは、コスト面だけではなく、”木造園舎”にすることで、園の建築基準法が厳しくなることがあるからです。

認定こども園幼保連携型の建築基準

建築基準法では、従来の幼稚園と同じ基準にしなければなりません。

・基本、園舎は基本2階建て以下であること

<延べ面積3,000㎡超えの場合>
・耐火基準が一番厳しい基準である『耐火建築物』にしないといけない

<延べ面積3,000㎡以下の場合>
・園舎を2階以上で建築する場合でかつ、2階に保育室や遊戯室をつくる場合、耐火基準が一番厳しい基準である『耐火建築物』と避難施設にしないといけない
・園舎を2階以上で建築する場合でかつ、床面積2,000㎡を超えており、、2階に保育室や遊戯室をつくらない場合は、準耐火建築物以上に該当する必要がある
・園舎を2階以上で建築する場合でかつ、床面積2,000㎡以下の場合は、その他の建築物に準ずること

耐火構造のランク(基準)

耐火建築物
・火事になった場合、柱などの主要構造の部分が、最後まで残っていることー>倒壊及び延焼を防止する機能が必要

準耐火建築物
・火事になった場合、柱などの主要構造の部分が、1時間倒れず残っていることー>倒壊及び延焼を抑制する機能

その他の建築物
・30分の熱に耐える防火装置を有すること

と建築基準法で定められています。

木は、鉄筋コンクリートより火に弱いため、『耐火建築物』となりえるのか、が建築において問題となるのです。

だからこそ、実績がない設計のプロは敬遠してしまい、鉄筋コンクリートにしてはどうかと別の代替案を提示することが多くなるのです。

しかし技術の進化により、現代では、”木造園舎”で『耐火建築物』の条件に満たすことは可能です。

実は”木造”は省コスト

建築に使用する「木」は大きく2つに分かれます。一つは、集合材と呼ばれる一つ一つの小さな木をつなぎ合わせたものです。もう一つは、無垢材と呼ばれる、一つの大きな木を使いやすいように加工した木であり、木一つ一つの模様や色味が微妙に異なり、木の温かみを感じることができます。集合材に比べ、どうしてもコストがかかるのは否めませんが、好まれているのは、この無垢材です。

しかし、建築後のランニングコストが安くなります。

木には、調湿機能があり、夏は涼しく・冬は温かいという性質があります。もちろん万能ではありませんから、必要に応じてエアコンを使う必要はありますが、集合材や鉄筋コンクリートに比べて、その必要性は少なくなり、光熱費を抑えることが可能となります。

園舎は子どもたちが、1日の中で長時間過ごす場所ですから、極力自然なものに触れておくことで、五感も豊かに育ちますし、子どもたちにとって、”木造園舎”は心もからだも両方によい面しか与えません。

”木造園舎”であることだけでは不十分

近年の傾向で、幼稚園や保育園から認定こども園に移行する園も増えていますし、”木造園舎”にしたいと考えている園も当然増加しています。

では、保護者が園を選ぶときの基準として、”木造園舎”のきれいな園は最低限の基準であり、そこにいかに付加価値があるかで、てんびんにかけます。
必要なのは、子どもが安心・安全に通園できるか、教育理念がしっかりしているか、理念に基づいた行動をしているかということです。

周りとは違う独自性が、保護者を惹きつける大きなポイントなのです。そのポイントの一つとして、『園舎や遊具・使用する家具』はいかがでしょうか。
「子どもの安全を守るため、園舎の〇〇は配慮して作られています」とか「オリジナルの家具や遊具を使用しています」とか、「五感を育てるために、△△を床に使用したり、デザインにしました」とアピールできるかと思います。

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