特殊建築物との違いは

『改正建築基準法』について

先日、改正建築基準法が全面施行されました。時代の流れの中で、少しづつ改正されてきた建築基準法ですが、今回の概要はどのようなものなのでしょうか。概要や法改正の背景、改正にかかる目標を見てみましょう。


POINT

・2019年6月25日、改正建築基準法が全面施行されました。
・建築物・市街地の安全性の確保、既存建築ストックの活用、木造建築を巡る多様なニーズへの対応が改正の背景にあり、これらを解消するための概要が定められました。
・法改正により、『既存建築物の適切な維持保全・改修等を通じた、建築物の安全性の確保及び密集市街地の解消の実現』『古民家の商業的利用や、空き家等のグループホーム・保育所としての活用といった既存建築物の活用等による経済活性化』を目指します。

改正建築基準法が全面施行

昨年2018年6月、建築基準法の一部を改正するという法律が公布されました。そして一部は1018年9月25日に施行され、2019年6月25日から改正建築基準法が全面施行されました。

法律改正の背景

法律改正の背景として、以下の3つの理由が挙げられます。

 

建築物の安全性の確保

糸魚川市大規模火災(H28.12)や埼玉県三芳町倉庫火災(H29.2)などの大規模火 災による被害の発生を踏まえ、老朽化した木造建築の建て替えや、建築物の維持管理など、安全性の向上や安全確保をいかに円滑に進めていくかが課題となっています。

火災だけでなく、近年多く発生している震災や火災、台風で被災した建物を目の当たりにしたことで、建物の安全性を実感した人も多いのではないでしょうか。

 

空き家の有効活用

国土交通省が行う2013年の土地基本調査によると、日本国土の約8.2%、約1552㎢が空き地となっています。この空き地の多くが活用されていません。しかしいざ活用しようにも、まず建築基準法に適合させるための大規模な工事が必要となるケースが問題となっていました。

空き家を福祉施設や商業施設等に用途変更するために、改修工事の手続きが不要になったり制限されていた用途が合理化されたりすることで、既存建築物の利用を促進することができます。空き家が増える中、安全面に配慮しながらもすでにある建築物を、住宅以外に有効活用していくことは強く求められています。また行政面でも、安全性確保と既存建築物の有効活用の両立は、今後も大きな課題です。

 

木材の活用

木材が建築材料としてしっかりと活用されることで、循環型社会を形成し、国土の保全や地域経済の活性化に貢献することができます。また、近年の技術開発を踏まえて建築物の木造化、木質化に貢献できるような建築基準の合理化も求められています。

 

 

こういった背景によって、今回建築基準法が改正されることになりました。

建築基準法の必要性

建築物を作る上で、守る秩序が建築基準法です。

建築物は、私たちの生活に欠かせません。日々の生活を送る『家』であったり、社会生活を送ったりするために必要な『会社』や『学校』、『福祉施設』。生きていくために必要な食料を手にする『スーパー』だけでなく、『商業施設』『図書館』など全て建物であり、建物がなくては、社会は存在することができません。

これらの建築物を建てる、維持する、体系化するために存在する建築基準法。これがなくては、誰もが自由に家や建物を建て、安全面や生活のために最低限必要なインフラが整備されることなく、乱立してしまいます。自由ばかりでは、快適な住環境、建築物はできないのです。安心、安全、衛生が守られて初めて、豊かな社会は確立します。

最初に建築基準法が制定されたのは、1950年です。時代の変化や技術の進歩により、度々法改正されています。今回の改正でも、時代に合わせてた改正が行われているのです。

 

 

 

 

改正の概要

では、実際にはどのような部分が改正されているのでしょうか。国土交通省発表の、建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)によると、大きな変更点は以下の4つです。(以下一部引用)

・建築物・市街地の安全性の確保
・既存建築ストックの活用
・木造建築物の整備の推進
・その他

それぞれの内容について、詳しく見てみましょう。

 

建築物・市街地の安全性の確保

維持保全計画によって維持促進を行うとともに、建築物の安全性の確保、建替えや防火改修などを行うことで、市街地の安全性の確保を実現することを目的としています。

密集市街地等の整備改善に向けた規制の合理化

防火地域や準防火地域における延焼防止性能の高い建築物について、建蔽率を10%緩和するとともに、技術的基準を新たに整備する。

既存建築物の維持保全による安全性確保に係る見直し

既存不適格建築物に係る指導・助言の仕組みを導入する。また、維持保全計画の作成が必要となる建築物等の範囲を拡大。

 

既存建築ストックの活用

福祉施設や商業施設などに空き家を用途変更する場合、大規模な改修工事を不要にすること、 手続を合理化することで既存建築ストックの活用を促進することを目的としています。

戸建住宅等を他用途に転用する場合の規制の合理化

耐火建築物等としなければならない3階建の商業施設、宿泊施設、福祉施設等について、200 m²未満の場合は、必要な措置を講じることで耐火建築物等とすることを不要とする。また、200 m²以下の建築物の他用途への転用は、建築確認手続きを不要とする。

建築物の用途転用の円滑化に資する制度の創設

既存建築物について二以上の工事に分けて用途の変更に伴う工事を行う場合の全体計 画認定制度を導入する。また、建築物を一時的に他の用途に転用する場合に一部の規 定※1を緩和する制度を導入する。

用途制限に係る特例許可手続の簡素化

用途制限に係る特例許可の実績の蓄積がある建築物について、用途制限に係る特例許可の手続において建築審査会の同意を不要とする。

 

木造建築物の整備の推進

木造建築物の整備を推進するだけでなく、木造建築物の建替えや防火改修を促進することを目的としています。

木材利用の推進に向けた規制の合理化

耐火構造等としなくてよい木造建築物の範囲を拡大するとともに、中層建築物において必要な措置を講じることで性能の高い準耐火構造とすることを可能とする。また、防火・準防火地域内の2m超の門・塀について一定の範囲で木材も利用可能とする。

 

その他

その他にも、
・老人ホーム等の共用の廊下や階段を、共同住宅などと同じように容積率の算定基礎となる床面積から除外すること
・現行1年の興行場などの仮設建築物の存続期間の延長
・用途制限などに必要な特例許可手続を簡素化すること

 

なども改めて定められています。

 

以上、建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)より一部引用
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000097.html

 

 

 

改正建築基準法が目指すもの

今回の改正建築基準法では、次の2点が目標として挙げられています。

⒈ 既存建築物の適切な維持保全・改修等を通じた、建築物の安全性の確保及び密集市街地の解消の実現
⒉ 古民家の商業的利用や、空き家等のグループホーム・保育所としての活用といった既存建築物の活用等による経済活性化

秩序のために存在している建築基準法がネックとなり、建築物の安全性が確保できなかったり、限られた資源である土地、空き家が放置されたりしていたのが。現状でした。しかし、今回の改正で、それらの資源はもっと有効に活用され、暮らしの安全性は確保されるようになるのかもしれません。

判断に迷う時はご相談を

建築基準法が改正されたことで、一定の期間は混乱が生じるかもしれません。行政の窓口だけでなく、用途変更を伴った工事を行う予定だった場合も、運用方法が今までとは異なる可能性もあります。判断に迷う場合は、行政に確認をした後に進めていくことをお勧めします。

 

また、今まで持て余していた空き地や、用途に困っていた建築物を新たに運用することで、社会価値を生み出すことができるかもしれません。

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