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【有効活用】特殊建築物を用途変更する重要性

今は使っていないけれど、倉庫として使っていた建物を飲食店として使ったり、広さを生かしてスポーツ施設にしたり…。
建物を新たに生かして使おうとする場合、幾つかの手順が必要になります。
今回は、体育館や病院などの特殊建築物の用途変更について、ご紹介します。

特殊建築物とは

特殊建築物とは、特殊な設備・構造を持った建物のことです。

「学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。),体育館,病院,劇場,観覧場,集会場,展示場,百貨店,市場,ダンスホール,遊技場,公衆浴場,旅館,共同住宅,寄宿舎,下宿,工場、倉庫,自動車車庫,危険物の貯蔵場,と畜場,火葬場,汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。」 (建築基準法第2条2項)

主に、体育館・病院・劇場・展示場・百貨店・スポーツ練習場・公衆浴場・旅館・工場・倉庫などが、その一例です。逆に、事務所や戸建住宅は、特殊建築物に当てはまりません。

これらの建物は、立地条件や防火設備、構造など厳しく制限されています。それは構造・設備が特殊な建築物で不特定多数の人々が利用するため、「通常の建物よりも火災が発生する可能性が高い」「人命に関わる大きな事故につながるリスクが高い」「建物だけでなく、周りにも影響が及ぶ可能性」など、多くのリスクを抱えているからです。そのため特殊建築物として、立地条件や防火設備、構造、あるいは工事中の取扱いにまで厳しく義務が定められています。

また、特殊建築物は、通常の建築物とは異なり、構造の老朽化や避難設備の不備などによって大きな事故や災害につながるリスクが高いとされています。そのため建築基準法で、専門の調査者や検査者が定期的に調査・検査をし、市や都道府県の特定行政庁に報告することが建築物の安全性を保つことを目的に決められています。 特殊建築物の所有者は、この調査結果を元に建物のメンテナンスや維持管理を行う必要があります。

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特殊建築物と特定建築物の違い

似た言葉で特定建築物がありますが、こちらは

(1)建築基準法に定義された建築物であること。
(2)1つの建築物において、次に掲げる特定用途の1又は2以上に使用される建築物であること。特定用途:興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、学校(研修所を含む。)、旅館
(3)1つの建築物において、特定用途に使用される延べ面積が、3,000平方メートル以上であること。(ただし、専ら学校教育法第1条に定められている学校(小学校、中学校等)については、8,000平方メートル以上であること。)
(厚生労働省)

特殊建築物のほうが、より幅広い建築物を指しています。特定建築物は、規模や高さが制限されており、特定建築物よりも特殊建築物の方が幅広い建築物を示しています。

住宅、事務所、神社、教会などは特殊建築物に当てはまりませんが、類似用途や厳密に調べると特殊建築物に該当する場合があります。不確かな場合は、行政に確認した方が良いでしょう。

用途変更とは

用途変更とは、ある建物を、今とは違う別の使用方法に変えるための手続きです。元々は倉庫だったものを新たに飲食店として使いたい、商業施設だったものを倉庫へと変えたい、などという場合は用途変更の手続きが必要になります。その建物をどう使うかによって、建物を安全に使うための構造や設備の基準が建物によって異なるため、用途変更はしなければなりません。例えば、建物を飲食店として使う場合に必要な基準と、倉庫として使う場合に必要な基準は、異なってきます。それぞれの建物での避難の考え方や、求められる採光や換気などの環境的な性能が違い、それぞれの用途に合わせた環境対策や安全対策が必要となります。
そういった理由から、建物の使い方が変わったとしても建築基準法のもと安心、安全に使うためには、用途変更の確認申請をする必要があります。

申請をせずに建物を新たな用途で使うと、法律違反になります。また、建物の構造や設備の不備などによる、安全性が問題視されます。 これから建物を今までとは違う使い方で利用するのであれば、用途変更の手続きが必要かどうかをあらかじめ確認しておく必要があります。

用途変更をしなければならない場合

用途変更の確認申請は以下の2つのパターンの場合必要です。

(1)これまでの建物の使いみちを「特殊建築物」へと変更する場合

「特殊建築物」へ建物の使い方を変える場合であっても、元々の使い方が新しい使い方と似ている場合、手続きは必要ないこともあります。
元々、映画館として利用していた建物を、劇場やコンサートホールとして利用する場合はこれに該当します。これらの使いみちの分類については、建築基準法施行令第137条17で定められています。

(2)用途を変える面積が100m²を超える場合

用途を変える面積が100m²よりも狭い範囲の場合は、手続きは必要ないとされています。展示場の一部を倉庫として利用する、倉庫の小スペースを工場として使う場合などがこれに当たります。

ある建物の使い方を変える時に用途変更の手続きが必要かどうかは、状況によって異なってきます。手続きが必要ない場合がありますが、用途変更の手続きの必要がないとしても、建物をそのまま次の用途に使って問題ない、とは限らない場合もあります。
ある建物の用途を飲食店に変える場合、もし用途変更の手続きは必要なかったとしても、その建物が飲食店として構造や消防設備などの面で安全基準を満たすためには、建築基準法を守る必要があります。手続きの必要がないような場合でも、念のため調査を建築士に依頼すると良いでしょう。

もし、用途変更をしなければならないにも関わらず、確認申請をしなかった場合は労働基準法第99条によって、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。法人の場合は、建築基準法第104条2によって、100万円以下の罰金が科せられます。
その上、その建物が技術的に基準を満たしていなかった場合には、建築基準法98条によって、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられます。法人の場合は、建築基準法第104条1によって、1億円以下の罰金が科せられます。
用途変更をせずに商売をしているテナントや事業者は少なくありません。しかし、用途変更を怠ったばかりに負うリスクは大きいものになります。しっかりと調べて、必要であれば申請をしましょう。

用途変更の手順

用途変更をする場合は、以下のような手順で行います。

手続きの確認・検討をする

まずは用途変更の手続きに必要な書類は何か、費用はいくらくらいかかるのか、期間はどのくらいかかるのかなど確認しましょう。

・関係法令の法的手続きの確認
12条5項報告、近隣への説明、バリアフリー条例、申請内容との相違はないか、
敷地、用途、面積、状況、構造上の損傷
・設計時の法令確認(既存不適格建築物でないかの確認)
既存不適格建築物とは、すでに建っている建物で、建った時点では法律に適合していたが
その後法律が変わったため適合しなくなった建物のこと。
・確認申請図、設計図、竣工図など図面の確認
・用途変更する特殊建築物の種類
・建築基準法の確認
・立地の確認

見積り・契約をする

上記の内容で用途変更が可能であれば、見積もりを取りましょう。用途変更は確認申請をはじめとする各種手続きの代理は建築士の独占業務です。用途変更は確認申請が必要なので、建築主本人が直接申請する場合を除き、建築士以外の人が手続きの代理業務はできません。また、建築主本人が申請する場合以外は第三者が手続きの代理をするということになり、建築士事務所に所属する建築士でなければ手続きの代理業務はできません。
手続きの検討や行政との事前相談等で用途変更が可能であれば、建築士に見積りを出してもらい、納得できるのであれば契約という流れになります。

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確認申請図書作成・申請を行う

確認申請書、設計図書作成を行います。確認申請書とは、役所や建築確認検査機関に提出する書類で、建築物が建築基準法や条例に適合しているかを確認するためのものです。これには基本的な図面しか含まれていません。
確認申請書類の完成後、民間機関や自治体への申請を行います。

着工・工事に取りかかる

新規用途の工事は確認申請済証もしくは用途変更済証を取得すれば、解体工事などを除き工事着工が可能となります。

竣工検査・完了検査を行う

工事施行者と管理者である建築士によって最終確認が行われます。ここでは、図面通りに仕上がっているかの確認を行います。
工事完了後は、所轄消防署の消防検査を受け、地方公共団体や建築指導課に工事完了報告を提出して終了です。

用途変更の重要性

空き店舗や空きビルなど、数多くの利用されていない不動産が存在しています。これらをうまく用途変更して活用していくことで、大きな市場価値を生み出す可能性は大いにあります。

様々な声なければならない制限はありますが、使われていない住宅をシェアハウスとして運営したり、古民家を地域の物産販売所にしたりと、工夫次第で建物が活用され始めます。そしてそれは地域の住民とのつながりを生み出し、経済の流れを生み出し、結果として大きな活用手段となります。
もし、活用せずにただ保管されているだけの建物があるのであれば、しっかりと活かしていくことをぜひ検討してみてください。

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