2021年の建築物省エネ法の改正により、建物における省エネルギー基準(以下省エネ基準)の関心が高まっていますが、もっぱら「住宅」での基準です。
「非住宅」では、延べ面積 300㎡以上の建物において省エネ基準の「適合義務」が課されているため、「非住宅」の中大規模の建物を新築・改修する人にとって、切り離すことができません。
今回は、300㎡以上の「非住宅」の木造の中大規模の建物の省エネルギー基準についてまとめました。
また、省エネ基準を満たすために要となる開口部のポイントをお伝えします。
コラムのポイント●非住宅の省エネルギー基準についてわかります。
●300㎡を超える非住宅では、省エネルギー基準の「適合」義務もしくは「届出」義務が課せられています。
●非住宅において軽視できないことは断熱であり、断熱性能を高めるための開口部のポイントが分かります。
Contents
建築物省エネ法は、平成 27 年 7 月に公布され、建築物が備えるべき省エネ性能の確保のために必要な建築物の構造及び設備に関する基準が定められました。
非住宅においては、「適合」義務の建物と「届出」義務の建物の2つに分かれます。
令和3年4 月以降より延べ面積300㎡以上の特定建築物では、基準の「適合」義務が課せられています。
また特定建築物に該当しない非住宅のうち、延べ面積300㎡以上の建物は、エネルギー消費性能基準の「届出」義務があり、著しく基準に満たない場合は所管行政庁が必要に応じ、指示できることとなっています。
建築確認の際に、省エネ基準に適合しているかどうかの判断も行われ、基準を満たしていないと建築主事より、建築の許可がおりません。
所管行政庁あるいは登録省エネ判定機関に、省エネ性能確保計画(省エネ計画)を提出し、「適合判定通知書」を交付してもらわなければなりません。
その「適合判定通知書」の原本もしくはコピーが建築確認の申請の際に、提出し、工事完了検査を受けることになっています。
工事に着手する日の21日前までに、所管行政庁に省エネ計画を届出なければいけません。
エネルギー消費性能基準に適合していない場合、省エネ性能確保のため必要があると認めるときは、計画の変更等の指示・命令がくだされます。
なお、、省エネ基準への適合に係る民間審査機関による評価書を省エネ計画の届出と同時に提出することで、省エネ計画の提出(届出)が最短3日前までに短縮することができます。
「適合」義務、「届出」義務の両方の適応対象外の建物は以下の通り
・「畜舎」や「自動車車庫」といった客室がない、もしくは高い開放性を有している建物
・「文化財指定された建築物」等保存のための措置等により省エネ基 準に適合させることが困難な建築物
・仮設建築物
非住宅では、特定建築物かどうかに関わらず、建築物に導入する設備機器等の一次エネルギー消費量の基準(BEI)が1.0以下になることのみです。
算出方法は、計算支援プログラムの標準入力法もしくはモデル建物法のいずれかを利用します。
参考:中大規模木造建築の設計プロセスの全体像 省エネ・温熱環境性能の計画・設計
非住宅の外皮性能は、省エネ基準の適合では計算されませんが、計算支援プログラムで開口部(建具)の仕様・性能を入力する項目があり、軽視することはできません。
また、外皮は、断熱性能を左右するものであり、一次エネルギー消費量を減らすための省エネ効果を高めるだけでなく、室内の快適性を向上させます。
外皮とは、屋根・床・壁・開口部(窓や扉)を指し、特に熱が伝導しやすいのは、開口部です。
非住宅では、壁をガラス張りなどスケルトンにすることが多いため、断熱性能に力を注ぐべきかと思います。
開口部の断熱性能を高める方法として、サッシとガラスの素材が重要になります。
非住宅では、標準入力法もしくはモデル建物法のいずれかのプログラムを利用することが一般的です。
開口部の仕様・性能を入力の仕方をご紹介します。
なお熱貫流率や日射熱取得率は、定められている算定方法により算出された値が用いられますが、建具の種類・ガラスの種類の組み合わせで入力する場合は、(国研)建築研究所HPに掲載されている「窓性能の一覧表」を活用するといいでしょう。
これまでアルミサッシが利用されることが多かったのですが、アルミサッシは、安価・軽い・丈夫というメリットがあるものの、熱の伝導率が非常によく、断熱には向いていません。
だからこそ、断熱という観点を大切にするなら、
・木製サッシ
・樹脂製サッシ
・アルミ樹脂複合サッシ
・アルミ熱遮断構造サッシ
いずれかを採用しましょう。
環境省の大臣室では、すでに高性能の樹脂サッシ「プラスト」が導入され、断熱効果の高さを実証しています。
ガラスは一枚ガラスである単板ガラスの場合、断熱性能は非常に劣ります。
・トリプルガラス
・LOW-E複層ガラス
・複層ガラス
以上の3つのタイプのガラスは、断熱性能が高いタイプのガラスのため、いずれかを採用するといいでしょう。
予算の関係や窓の大きさが関係しますが、せめて複層ガラスを取り入れるように、頭の片隅にでもいれておいてください。
面積300㎡以上の特定建築物をはじめ、中大規模の非住宅の建物では、省エネルギー基準を満たすことで、「適合」義務、もしくは「届出」義務を果たすことができます。
低炭素社会・サステナブルな社会にしていくために、必要な措置・法令ですので、まずは省エネルギー基準に関する知識を深めておきましょう。
YA+Aはわかりやすく、安心して建築を進めていけるように建築の専門家がお客様をナビゲートします。
まずはお話をお伺いして、簡単なプランとスケジュール、資金計画、工程計画をご提案いたします。
お客様の計画が実現できるように全力でサポートさせていただきます、また我々のサービスにご満足いただけない場合はファーストプランは無料とさせていただきますのでお気軽にご相談ください。
はじめての設計事務所はなんとなく敷居が高く、相談しづらいかと思いますが、そんな事はありません。
お客様のお話を聞かせてください、対面以外にもメール、電話、LINE、テレビ電話を用意しています。
YA+Aでは建築に関する無料相談をおこなっております。
お客様のお話を伺って、計画が実現出来る様にアドバイスをさせていただきます。
場所はYA+Aのオフィスに来ていただくか、zoomで行うか、お客様指定の場所にお伺いさせていただきます。
どんな事でもお気軽にご相談ください。
建築を実現するためにやるべきことがわかる
お客様の計画を実現するためのの手がかりを得られる
設計事務所の仕事の進め方を理解出来る
低コストでできる初期計画。
建築計画のスタートに絶対必要な
・建物のボリューム
・概算の資金計画
・全体のスケジュール
の検討をお手伝いします。
お客様はその資料をもとに計画が適正であるかを判断することができます。
まずはファーストプランをご依頼していただければ、その後の計画をどう進めればよいかの指針をお作りします。
費用は計画を進める場合は設計料に充当しますので、初期段階での検討費用を抑えることができます。
※計画を進めない場合には実費精算となります。
YA+Aの仕事にお客様が満足出来ない場合は無料とさせていただきます。
03-5284-7106