デザインの力

CLTとは優秀な建築資材|メリットや注意点を知ろう

『CLT』は、東京オリンピックのパビリオン棟、屋内展示棟、展示別棟で使用された、建築資材であり、建築コスト削減や建物の耐久性の高さなど様々なメリットがあります。『CLT』そのものについて調べてみましょう。

コラムのポイント●木造建築で使用される建築資材の種類を紹介しています。
●CLTは建築資材として壁・床だけでなく、柱の代わりになる資材です。
●CLTと集成材・合板との違いも明確になるでしょう。
●CLTを使用して建築する場合のメリットが数多くありますが、大きく4つの視点から考えると理解しやすくなります。

CLTとは

建物の建築資材として、天然の木に近いとされ、有望視されている資材です。

現在、戸建て住宅だけではなく、中規模建築物でも『木造』とすることが推進されている中で、【CLT】は、コストパフォーマンスに優れ、建物の強度・断熱性が高いといった理由があるためです。

なお、【CLT】は、は Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティッド・ティンバー)の略称です。クロスと名称の通り、ひき板(ラミナ)を並べた層(一つの段)を、板の方向が層(段)ごとに直交するように重ねられた板のことです。

建築資材には何があるのか

【CLT】は建築資材の一つですが、他にどんな資材があるのか知っておきましょう。

無垢材・・・加工されていない状態のもの

合板(ごうはん/通称ベニヤ板)・・・木の繊維が直交するように互い違いに重ねて貼り合わせたもの

2✖️4材・・・製材時の断面が主に2×4インチに加工したもの。2×6、2×8、2×10インチなどの規格もあり。

集成材・・・ひき板を幅・厚さ方向に平行に接着したもの。

木質ハイブリッド集成材 ・・・鉄骨などを中心に挟み木材(集成材)で覆ったものこと。鉄骨は木材に覆われて見えないため、木材のあたたかみのあるデザインを可能としながら、よりすぐれた強度や耐火性能を両立

LVL・・・薄く切った板を、繊維方向を揃えて接着した木材であり、柱や梁に使われることが多い

CLT・・・木の板を垂直方向に重ねたもの。大判の厚板パネル。

それぞれの資材にはメリット・デメリットがありますが、人気が高まっている「木の香りがする家」に使用される資材は無垢材です。

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集成材と合板の違い

集成材・合板も板を重ねているため、どう違うのか、きちんと整理しておきましょう。

合板は、厚さ数mm、幅約90cm、長さ約180〜270cmの薄い板(単板)を、木材の繊維方向を直交させながら積層させ、接着剤で貼り合わせたもので、壁や屋根の材料として使用されます。

集成材は、厚さ数cm、幅10数cmの板材(ひき板)を、木材の繊維方向(木が伸びる方向とおおよそ同じです)をそろえて積層し、接着剤で貼り合せたもので、柱や梁として使用されます。

合板と集成材は、木材の繊維方向と同じか直交させているかで違いますし、何より、薄い板と角棒のような状態ですので、建築資材として、適材適所に使用されています。

ー施工事例をみるー

CLTとは結局何?

【CLT】とは、合板と集成材のいいところを掛け合わせたような資材で、集成材(棒状)の板を幅方向にたくさん並べて大きな面をつくり、1段ごとに繊維の方向が直交になるように重ねられてつくられます。

ちなみに、3層・5層・7層・9層のタイプがあり、最大の厚みが270mmとされており、厚みがあるほど断熱性能が高くなります。

つまり、壁・柱ともに使える利便性が高い資材であり、【CLT】さえあれば、ある意味一つの建物が建てられるのです。

 

CLTのメリットを知る

細かく分けると、あれもこれもとなってしまうため、まず4つの視点で分類しました。

●コストパフォーマンスの高さ
●建物の強度
●デザインの自由度の高さ
●社会貢献

詳しくみてみましょう。

コストパフォーマンスの高さ

♢1. パネルが工場で作成されるため
厚板パネルをプレカットまでされてから、現場へと運ばれます。
現地ではパネルを組み立てていくことが基本なため、現地での細かな作業時間を減らせることになります。

♢2. 工期が短くなるため
施工してすぐに作業に移ることができるため、基礎工事・養生期間が短いです。
プレカットされた状態で運ばれてくるため、現場での作業が少なくなり、結果工期が短くなります。

♢3. 建物の必要な基礎工事が削減
基礎工事は、コンクリートや鉄筋造に比べると、木造のため、建物自体が「軽い」です。そのため必要な工事も簡易化することができます。

♢4. 人件費削減
工事期間が短いため、一人にかける拘束時間も短くなりますし、柱梁構造に比べて技術的な難易度が低く、 いわゆる熟練した職人さんばかりを集める必要もなくなります。
工事期間に必要な警備人員にかかる費用も少なくなります。

♢5. 運搬コストが低い
コンクリートより軽量のため。 一度に多くのトラックに積み込めたり、台数を減らすことができます。

♢6. 税制上の理由
目に見えるコストではありませんが、建物には、減価償却費がかかります。
木造場合、鉄筋など他の構造の建物に比べ「減価償却のための耐用年数」が短いためです。

ー施工事例をみるー

 

建物の強度

♢1. 耐震性が高い
木造の建物の特徴である「軽さ」によって、鉄筋コンクリート造などより揺れに強いです。

実際に、国土技術政策総合研究所で、国産スギCLTパネルを使用した5階建て想定の実験が行われました。結果、阪神・淡路大震災と同等の揺れでも、目立った損傷がなく、十分な耐震安全性能があると証明されています。

♢2. 火災にも強い
木は表面が燃えてもゆっくりと燃え、「燃え抜けにくい」性質をもっています。

厚さ90ミリのCLTは燃え切るのに1時間以上かかることが分かっており、建物の倒壊までの時間まで長いため、いのちを守る行動、避難できる時間を稼ぐことができます。

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♢3. 断熱性(熱の伝わりにくさの性能)の高さ
木材は熱伝導率がコンクリートの1/12なので断熱性が高く、なんとCLTの厚さ10センチメートルと厚さ1.2メートルのコンクリートが同じ断熱性があります。

また、隣の部屋などで火が燃えていたといとしても、150mm厚のCLTパネルであれば手で触れても熱くないという熱が伝わりにくいことも知っておくといいでしょう。

デザインの自由度が高い

♢1. おしゃれ・センスのよさを感じさせる
庇が跳ね出した建物やバルコニーがせり出した建物、凹凸のある建物などデザイン性を強く出すことができます。

また、薄い床と薄い屋根の実現も可能であり、天井懐が必要なく、建築の高さ制限が厳しい場所でも全体の高さを抑えながら気持ちの良い天井高を確保することが可能です。

壁には自由な形の開口部を開けられるため、大きな窓から小さな窓まで設置しやすいことも、デザインの自由度を高めている要因の一つです。

♢2. 内装
内装においても、木造在来軸組構造のような1階と2階の柱や壁の位置を揃える必要がなく、 1階・2階と階ごとに大きく違うように配置することができます。

仕上げ材として使用することができるため、「あらわし」をすることができたり、木のあたたかみを感じる空間を演出することができます。

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社会貢献(SDGsを担う)

♢1. 環境保全
地域材の活用は、しっかり地に根ざした健全な森林の保全にもなり、土砂災害を防いだり、里山の魅力を高め、水・土でつながる 多様な生物が暮らす豊かな海洋環境の維持にも貢献できるのです。

他にも、地球温暖化の原因と言われているCO₂(二酸化炭素)は、全排出量のうち約3分の1を建築関連が占めると推計されていますが、木材は大気中のCO2を固定できるため、鉄筋コンクリート造よりも、材料製造時・輸送時及び建設時等におけるCO2の排出量も減らせることも分かっています。

♢2. 資源のサステナブルを実現
解体しやすいこと、解体後、建築物、家具、ベンチ等様々な用途への再利用できます。

♢3. 地方創生への足掛かりとなる
国産材の需要を高めて日本の林業を振興すること、産地における林業の生産活動を活発にし、雇用の機会を創出、他関連産業の活性化に期待ができます。

♢4. 都市を第二の森林へ
「第二の森林」とは、建築物などに木材をたくさん使って、炭素をたっぷりと固定している町のことを指します。

戸建て住宅だけでなく、 CLTによって、 事務所や福祉施設・医療施設・学校も建てられることで、より大きな「第二の森林」をつくっていくことになります。

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まとめ*CLTは優秀な建築資材

CLTはまだ発展途上の建築資材のため、CLTを取り扱う工場が少なかったり、内装には使用されても、雨風に対する別途処置が必要であることも起因し、外壁での実績が少ないのが現状です。

しかし、CLTを使用するメリットを知ると、一度は検討の余地があると思いませんか。

施設の開業ではプロとの連携が不可欠ですから、しっかりと向き合ってくれるプロを探しましょう。

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